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4件
感情教育
法律を学ぶためにパリに出た青年フレデリックは、帰郷の船上で美しい人妻アルヌー夫人に心奪われる。パリでの再会後、美術商の夫の店や社交界に出入りし、夫人の気を惹こうとするのだった。夫人への一途な想いと高級娼婦との官能的な恋愛、そして打算の恋……。アンビバレントな恋愛感情に揺れ動く青年の精神を、激動する時代とともに描いた傑作長編。『ボヴァリー夫人』と並ぶフローベールの代表作を流麗かつ優美な新訳で。
感情教育(下)
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2016/01/15 12:58
翻訳者曰く、恋愛教育
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たいこたたき - この投稿者のレビュー一覧を見る
今までに何度も手にとっては挫折を繰り返し、今回の半額セールを機に読み切ろうと決めて読んだ。
美しい。こんな小説を今の今まで知らなかったとは、私の人生はどれだけの損をしていたのか。モローと様々な女性たちとの恋。目に浮かぶような情景描写に吸い込まれる。何だこれは。美しき革命、革命後の失望。こんなに心を揺さぶられた小説は久しぶりだ。
太田浩一氏の翻訳も見事の一言。
感情教育 下
2021/11/12 15:41
感情教育 下
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
フレデリックの関係は女性関係のほうに比重が移っていき、四人の女性の間で揺れている。それでも結局フレデリックはアルヌー夫人に心を寄せるのだが、二月革命やその混乱などによって周囲の人間たちは翻弄されていく。
最後の場面は1840年代から十数年たった1867年、物語の大部分をすごしたパリは都市改造によってなくなり、それまで積極的に描写された町並みも変わってしまったパリで、フレデリックが昔を回顧する場面はとても感動した。
感情教育 上
2021/11/11 12:59
感情教育 上
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
文学や絵画、歴史、政治など様々な前途に希望を燃やす青年フレデリックは、画商の妻や娼婦などに恋愛や失恋などを経験し、成長していく。仕送りを受ける学生として、貧しい人々や共和主義者などと、母が貴族の血を引いていたり、莫大な遺産を継いだりして上流階級や政治の中枢にいる人々と、画商との付き合いで芸術家たちと触れあい、様々な世界が垣間見えて面白い。
まだ上巻しか読んでおらず、多分下巻で物語がもっと展開されていくだろうが、上巻も青春の記録として面白かった。