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9件
オーダーメイド殺人クラブ
著者 辻村深月
クラスで上位の「リア充」女子グループに属する中学二年生の小林アン。死や猟奇的なものに惹かれる心を隠し、些細なことで激変する友達との関係に悩んでいる。家や教室に苛立ちと絶望を感じるアンは、冴えない「昆虫系」だが自分と似た美意識を感じる同級生の男子・徳川に、自分自身の殺害を依頼する。二人が「作る」事件の結末は――。少年少女の痛切な心理を直木賞作家が丹念に描く、青春小説。
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オーダーメイド殺人クラブ
2023/05/30 15:07
タイトルに抵抗がありますが・・・
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
辻村さんへの信頼があるから読んだけど、そうでなかったらなかなかしんどい内容でした。友人・親・先生との関係の描写は細やかでするどく胸が痛くなる場面もあります。
オーダーメイド殺人クラブ
2022/02/22 22:04
ぜひ読んで欲しい
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岸谷 - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分が中学生だった頃、「カーストの上位層は毎日キラキラ輝いていて楽しそう」としか思っていませんでした。
だけど、この本を読んで彼女達の生きる世界も窮屈で、大変な学校生活を送っていたのかもしれないな…と考えるきっかけになって良かったです。
驚くほど中学生の感情がリアルで、自分の学生生活を思い出しながらグイグイ読み進められ、非常に好みの小説でした。
2018/05/12 06:26
中学生感覚が生々しくよみがえる
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『オーダーメイド殺人クラブ』の語り手は中2女子・小林アン。バスケ部で、クラスの「派手組」の方に属しているけれど、死や猟奇的なものに惹かれることは誰にも言えない秘密。アンは、わがままでクラス内のヒエラルキーの上位に居る芹香と倖とは部活が一緒で仲がいいはずがちょっとしたことで「外され」てしまうという中学生に典型的な不安定な人間関係に悩み、赤毛のアンが好きで「イケてない」母親に苛立ち、何か特別な【事件】を起こすことで特別になりたいと考えます。そして、学校外で遭遇したきっかけとなる些細な事件からクラスメートである徳川勝利に、彼女の希望に沿って殺してくれるように頼み、二人でその計画を練るという物語です。
アンの方の心情はまだ分からないでもないのですが、徳川君の「私を殺して」と言われて「いいよ」と答えるのはちょっと。。。もちろん彼が承諾しなければ話が始まらないのは分かりますけど、「君、かなり変だよ」と突っ込まずにはいられませんね。
アンの思考やクラスや部活などでの出来事の描写は、生き生きと生々しく、そのあまりの臨場感にすっかり埃をかぶって記憶の引き出しの奥深くに忘れ去られていたような中学生時代の感覚が急に取り出されて目の前に突き出されたようで、その埃っぽさに思わずくしゃみをしそうになるような、何とも言えない苦々しい思春期の青臭さのイタさを感じました(笑)
この作品を主人公と同じ中2の時に読んだらどうだったでしょうか。たぶん途中までは「そうそう」とものすごく共感して(猟奇的なものに惹かれるという趣味は別として)、つまんないリストカットなんかじゃなくて、もっと別のことをしようと思ったかもしれませんが、それだけに結末には納得しなかったのではないかと考えられます。小説の中では数ベージで3年以上も経過してしまっても、現実の「今」を生きる身にとってはそれは真似できない時間の経過と成長ですので、やはりこの作品はせめて高校生になってから中学時代を思い出として振り返るようになってからじゃないと納得できるお話ではないのではないでしょうか。