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11件
逆ソクラテス
著者 伊坂幸太郎
逆転劇なるか!? カンニングから始まったその作戦は、クラスメイトを巻き込み、思いもよらぬ結末を迎える(逆ソクラテス)。足の速さだけが正義……ではない? 運動音痴の少年は、運動会のリレー選手にくじ引きで選ばれてしまうが(スロウではない)。最後のミニバス大会。五人は、あと一歩のところで、“敵”に負けてしまった。アンハッピー。でも、戦いはまだ続いているかも(アンスポーツマンライク)。など短編全5編の主人公はすべて小学生。デビュー20年目の新境地ともいえる本作は、伊坂幸太郎史上、最高の読後感! 2021年本屋大賞第4位。柴田錬三郎賞受賞作品。
逆ソクラテス
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逆ソクラテス
2023/10/31 15:27
子供を否定しちゃいけない
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:touch - この投稿者のレビュー一覧を見る
個人的には、伊坂作品の中でもかなり好きな部類。
全5編からなる短編集で、ファンタジーでもサスペンスでもない、普通の、日常の物語。
それぞれが独立した話だが、磯憲先生が2回出てきたりして、何となくゆるーく繋がっている感じも。
これらの物語には、大きく3つの共通点がある。
ひとつめは、どれも小学生の頃の話が中心になっていること。
ふたつめは、どのタイトルにも「否定(反対)」の意味を表す言葉がついていること。
1."逆"ソクラテス
2.スロウでは"ない"
3."非"オプティマス
4."アン"スポーツマンライク
5."逆"ワシントン
そして、みっつめは、タイトルに「否定」の言葉があるにもかかわらず、テーマとなっているのは、「子供を否定しちゃいけない」「駄目だと決めつけちゃいけない」ということ。
伊坂作品の中には、悪者が完膚なきまでにやられるという結末も少なくないが、この本では、そこまでいかない。
クラスに一人はいた意地悪な同級生や嫌なことを言う先生。
でも、彼らが圧倒的に叩きのめされることはなく、代わりに、ちょっとだけスカッとするような、ニマっとほくそ笑むような結末になっている。
そこがまた良い。
表題になっている「逆ソクラテス」も、冒頭のシーンは、語り手の目線だと思っていた。
でも、あれは馬鹿にしていた先生だったんだと気づくと、ニマっとしてしまう。
「逆ソクラテス」も良かったが、私は「スロウではない」のゴッドファーザーごっこが好きだなあ。
2023/11/08 23:17
希望が見える。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ななまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
伊坂幸太郎作品は、もともと大好きですが、
その中でもかなり好き。
子供が主役な短編集ですが、
どの話にも、それぞれ考えさせられるところがあり、十人十色を感じる。
地味であっても、真面目に生きることに希望を感じる話でもある。
2024/12/04 14:39
逆ソクラテス
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Keito - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編集
小学生たちが出てくる話で面白かった
あれ?これもしかしてあのときの?と思わせてくれるような展開もあり短編一つ一つの最後の終わりかたも私はすごく好きでした