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5件
ウルトラマンになった男
著者 円谷プロダクション(監修) , 古谷敏(著)
ウルトラマンのスーツアクター初の回想録!
古谷敏氏は初代ウルトラマンのスーツアクターとして以後数十年にわたるウルトラマンシリーズのアクションの原型を作り上げました。本書はその円谷プロの特撮現場における1年間の苦労と知られざるエピソードを生々しく描いた初めての回想録です。
最初の撮影でスペシウム光線のポーズが決まるまでの一部始終、ややあの少し猫背のポーズの由来。また、ウルトラセブン・アマギ隊員役から、イベント会社の設立に至る経緯など、当事者本人の心の動きが時間の経過とともに詳述されている点、当事者本人しか持っていない、かつ本人しか許可を取れない新発見の写真の掲載、などの点で、ファン垂涎の書籍です。円谷プロダクションの全面協力をいただきました。
構成/第1章 ウルトラマンへの道、第2章 過酷な撮影現場、第3章 ウルトラセブン~独立、最終章 四十年後
ウルトラマンになった男
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ウルトラマンになった男
2011/05/14 10:50
光の国から僕らのために
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Tucker - この投稿者のレビュー一覧を見る
ウルトラマンの正体は設定の上では、科学特捜隊のハヤタ隊員。
だが、見方を変えれば、ウルトラマンのメインライター、金城哲夫であるとも言える。
別の人に言わせれば、姿をデザインした成田亨であるかもしれないし、第1話の監督、円谷一という人もいるだろう。
その他、脚本家、スタッフ etc. いくらでも出てきてキリがない。
しかし、そんな中で決して忘れていけない人がいる。
それは着ぐるみの中に入ってウルトラマンを演じた著者、古谷敏である。
ウルトラマンの話があった当初、著者は迷う。
「俳優」であるのに顔を出せない役。
さんざん悩み、口説かれた上で、期待されている事を知り、決心する。
そして、それは茨の道の選択でもあった。
どんなに疲れていても、スペシウム光線のポーズを毎晩、練習。
太るとウルトラマンの体型に影響が出てしまうので、夜食は厳禁。
過酷なアクションの後、建物の陰で吐いてしまうものの、その姿は決して、スタッフには見せない。
(加えて、だんだんタイトになる撮影スケジュール)
このプロ意識には頭が下がる。
本の文面からの想像だが、謙虚でマジメな人なのだろうと思う。
撮影が進んでいる中もあまりの過酷さに辞めよう、と思うが、偶然、バスに乗り合わせた子供達の会話でウルトラマンがどれほど愛されているかを知り、やりぬくことを決心する。
それまでは「顔も出ないので、いざとなれば誰がやっても同じ」という考えがどこかにあったのだが、これを契機に「ウルトラマンは自分にしかできない」と思うようになる。
そして、この心境の変化と同時に自他共に認めるほどアクションのキレもよくなっていく。
「逃げ場」があるのと「覚悟を決める」という事の違い、と言うべきか、ふっきれた人の強さと言うべきだろうか。
ウルトラマンの最終回の撮影が終了して、マスクを脱いだ時、
「泣いているの?」
と言われて、慌てて
「汗だよ」
ベタだが、カッコいい。
その後、著者はウルトラマンの演技が認められて、次のウルトラセブンでウルトラ警備隊のアマギ隊員に抜擢される。
ファンから是非に、という声が無視できないほど多かった、という事情もあったそうだが、それ以上に上層部の人が著者の隠れた努力や苦労を見ていたので、何としても報いたい、という気持ちがあったそうだ。
やはり見る人は見ているのだ。
こういうコツコツと努力する人が報われる話はホッとする。
2018/07/09 00:17
仕事とどう向き合うか
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うみべ - この投稿者のレビュー一覧を見る
今やっている仕事が果たして自分に向いているのか、又は意中ではない部署に配置されてやる気をなくしている人に読んでもらいたい一冊。東宝のニューフェイスだった古谷敏氏に回って来たのは、主役とは名ばかりのウルトラマンのスーツアクター。あまりの過酷さに一度は降板を申し出ようとするも、あることがきっかけで逆にのめり込んでいき、そして自身の宝物的な経験となった。古谷氏の祖母「おばあば」がお守りを授ける時に言ったことは古谷氏のみならず、読んでいる自分自身も教えられた気がした。それにしても古谷さん、ゾフィーのギャラは今からでも遅くない、言ってもらったほうがいいですよ(笑)。
2024/04/11 09:25
ウルトラマンの真実がここに
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
今や海外まで人気のとどろくウルトラシリーズの祖、ウルトラマンを演じた古谷敏さん自らが著す知らされざる物語。
俳優としてのスタートから顔の見えない役者としての活動とウルトラマンと言えばの、そのスタイルとスペシューム光線のポーズなど初めて明かされる真実、円谷英二さんや一緒に番組を作り上げたスタッフまでををありのままに語る彼の人柄に感激します。