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5件
【シリーズ】出星前夜
著者 飯嶋和一 (著)
キノベス1位&大佛次郎賞受賞作!
大佛次郎賞+キノベス第1位の2冠に輝いた、歴史超大作!
寛永14年(1637)、突如として島原を襲った傷寒禍(伝染病)は、一帯の小児らの命を次々に奪い始めた。有家村の庄屋・鬼塚甚右衛門は旧知の医師・外崎恵舟を長崎から呼ぶが、代官所はあろうことかこの医師を追放。これに抗議して少年ら数十名が村外れの教会堂跡に立てこもった。
折しも代官所で火事が発生し、代官所はこれを少年らの仕業と決めつけ討伐に向かうが、逆に少年らの銃撃に遭って九人が死亡、四人が重傷を負った。
松倉家入封以来20年、いっさいの抵抗をしてこなかった旧キリシタンの土地で起こった、それは初めての武装蜂起だった‥‥。
結局は幕藩体制そのものに抗うことになる海民・土豪らの絶望的な戦いがここから始まる。向かう先は破滅にほかならなかったが、それでも彼らが戦うことを選んだのはなぜだったのか?
原稿枚数1200枚! 大部ながら一気に読ませる本作もやはり「飯嶋和一にハズレなし!」である。
出星前夜
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出星前夜
2021/12/04 19:58
全く違う視点
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投稿者:TAROLEB - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史で学ぶ島原の乱とは全く異なる視点からの小説で、一気に読了してしまいました。長崎という地が如何に貧しかったか、それを助けたいと思う中間層、争いを始める子供達、いろいろな話が縦横に絡み、最期に繋がる力量に感服しました。必ずしも悲劇で終わらないところも良かったです。
出星前夜
2019/09/29 21:56
蜂起軍が負けるのはわかっていても
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
島原の乱を題材にした作品というと、天草四郎時貞を中心にしたものと思ってしまうのだが、この作品は島原の有家村の庄屋、元有馬藩藩士・鬼塚甚右衛門を中心に描かれている。鬼塚の長けた作戦が蜂起軍を勝利に導いていく、しかし多勢に無勢、最後には・・・・という王道のストーリー、ここでの天草四郎はカリスマ性はあるけれど、あまり戦略のことは知らないというポジション。うまい歴史ものというのは、結果がわかっているにもかかわらず、ひょっとしたら、蜂起軍が勝利を収めてしまうではないかというわくわく感がある。この小説がそうで、すっかり鬼塚という初めて知った武将のことを好きになってしまった。
出星前夜
2018/12/31 15:04
久々の骨太作品
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投稿者:のりちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
傑作でした。島原の乱を別の角度から描いている。教科書とは違う側面が見れて大変考えさせられた。苛政は虎よりも怖しというか、まさしくその通りである。江戸時代の支配体制がいかに過酷であったかがよくわかる。
その中で自分としての独特の世の接し方、権力に阿らない生き方を見つけた寿安に拍手である。