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2件
少将滋幹の母
著者 谷崎潤一郎 (著)
八十歳になろうとする老大納言は、若い妻を甥の左大臣に奪われるが、妻への恋情が断ちきれず、死んでしまう。残された一人息子の胸にも幼くして別れた母の面影がいつも秘められていた――。平安期の古典に材をとり、母への永遠の慕情、老人の美女への執着を描き、さらに、肉体の妄執が理性を越えて、人間を愛欲の悩みに陥れるという谷崎文学の主要なテーマを深化させた作品。
少将滋幹の母
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少将滋幹の母 改版
2021/05/31 23:43
少将滋幹の母
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
時の権力者藤原時平は、伯父であり人のよさ以外に何のとりえも無い藤原国経が七十代になって迎えた妻を奪ってしまう。残された子ども少将滋幹は、何度か母と会う事を許されるが、やがてそれも許されなくなり、数十年後母が老いるまで会う事ができない。この本は、この少将滋幹が残した日記をもとに、妻を奪われた夫、そのきっかけをつくった平中という男の人生などを描いている。
少将滋幹の母 改版
2023/02/02 20:51
谷崎潤一郎らしい作品。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:satonoaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
幼くして母親と別れさせられると、その後の成長や人生における心持ちに、多大な影響が出ることを、しっかり伝える作品。
母と子が一緒に暮らさぬほうが幸せというケースも現代にはよく見られるが。
母子の別離をテーマに、時代を平安時代にして書いたと言っても良いかと思う。
文体、言葉、いかにも谷崎潤一郎である。