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2件
大地のゲーム(新潮文庫)
著者 綿矢りさ
二十一世紀終盤。かの震災の影響で原発が廃止され、ネオン煌めく明るい夜を知らないこの国を、新たな巨大地震が襲う。第二の地震が来るという政府の警告に抗い、大学の校舎で寝泊まりを続ける学生たちは、カリスマ的〈リーダー〉に希望を求めるが……極限状態において我々は何を信じ、何を生きるよすがとするのか。大震災と学生運動をモチーフに人間の絆を描いた、異色の青春小説。
大地のゲーム(新潮文庫)
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2020/05/07 22:57
揺れるキャンパス
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
来るべき巨大地震の恐怖と、大学生たちの未来への不安が上手く融け合っています。倒壊するタワーに消えたリーダーと、地に足を着けて生きていくヒロインとのコントラストが忘れ難いです。
大地のゲーム
2021/01/09 10:40
来て欲しくない未来
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うーよー - この投稿者のレビュー一覧を見る
大地震後の世界はエンタテイメント性の高い舞台だった筈が、日本人にとっては今やドキュメント性の高い舞台になってしまいました。それゆえか、この物語もどちらかと言えば純文学的なテイストであるように感じました。 「震災から自分を守る為には、自分で備えるしかない」とカリスマ的リーダーから言わせていたり、集団パニックから人を殺してしまったら罰せられなくても、罪の意識からは逃れられないこと、自宅に潜む兄が別れた女への恐怖感を描くことで、異常時でも狂気に身を委ねるなと、みな理性的でいて欲しい、という願いが感じられました。