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12件
でっちあげ―福岡「殺人教師」事件の真相―(新潮文庫)
著者 福田ますみ
「早く死ね、自分で死ね。」2003年、全国で初めて「教師によるいじめ」と認定される体罰事件が福岡で起きた。地元の新聞報道をきっかけに、担当教諭は『史上最悪の殺人教師』と呼ばれ、停職処分になる。児童側はさらに民事裁判を起こし、舞台は法廷へ。正義の鉄槌が下るはずだったが、待ち受けていたのは予想だにしない展開と、驚愕の事実であった。第六回新潮ドキュメント賞受賞。
でっちあげ―福岡「殺人教師」事件の真相―(新潮文庫)
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でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相
2019/11/27 16:50
それはあなたの隣でも起こるかもしれない
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「でっちあげ」という言葉を辞書で調べると「事実でないことを本当らしく作りあげること。捏造(ねつぞう)すること」と出て来る。
「捏造」がこの言葉の由来とも関係していて、「捏」という漢字が「でつ」と読むところからそれが動詞化されて「でっちあげる」となり、それが「でっちあげ」へと名詞化される。
最近でもあおり運転に同乗していた女性だと「でっちあげ」られ、SNSで拡散され大きな問題になった事件もあったように、インターネットの普及で「でっちあげ」の被害は増加している。
第6回新潮ドキュメント賞を受賞したこの作品は、2003年全国で初めて「教師によるいじめ」が認定された福岡での体罰事件を追ったものだ。
単行本は2007年1月に出て、「平成19年1月、控訴審がスタートした。」で終わっているようだが、それから2年後の2009年に出た文庫本では「でっちあげ事件、その後」が収録されている。
この事件は今でもインターネットで事件の概要を見ることができるが、読むのであれば「その後」を収めた文庫本がいいだろう。
この事件では教師から「いじめ」を受けたという児童とその両親からの訴えにより、教師はマスコミから「殺人教師」とまで叩かれることになる。
しかし、裁判の過程で訴えた児童側にさまざまな「でっちあげ」があることが判明していく。
著者の福田ますみ氏は現地取材の中で「殺人教師」と呼ばれた教師がそんなひどい人物でないことを知り、事件を追っていく。
一度拡散された「でっちあげ」をなかったことにすることがいかに難しいか、この作品が示している。
でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相
2010/01/18 12:07
非力な学校現場や教師の実態
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぱやぴす - この投稿者のレビュー一覧を見る
小学生の男児が担任教師から差別発言・自殺強要・体罰によりPTSDによる長期入院に追い込んだとされ、教育委員会は全国初の「教師によるいじめ」と認定されたことに加えマスコミ報道が高まり実名報道するまでに報道合戦が加熱。
両親は、教諭と福岡市を相手に損害賠償を求め提訴し550人もの大弁護団を結成。
舞台は法廷に移り、教師による児童虐待という前代未聞の事件の真相が暴かれるはずだったのが待ち受けていたのは予想だにしない展開と驚愕の事実だった。
でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相
2019/08/31 09:21
恐ろしい
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:飛行白秋男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
モンスターペアレンツの話。
被害者の教師の方が気の毒。
加害者に加担する週刊誌記者や弁護士がいることにもあきれる。
作者の取材力は素晴らしいですね。