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明るい夜に出かけて(新潮文庫)
著者 佐藤多佳子
富山(とみやま)は、ある事件がもとで心を閉ざし、大学を休学して海の側の街でコンビニバイトをしながら一人暮らしを始めた。バイトリーダーでネットの「歌い手」の鹿沢(かざわ)、同じラジオ好きの風変りな少女佐古田(さこだ)、ワケありの旧友永川(ながかわ)と交流するうちに、色を失った世界が蘇っていく。実在の深夜ラジオ番組を織り込み、夜の中で彷徨う若者たちの孤独と繋がりを暖かく描いた青春小説の傑作。山本周五郎賞受賞作。(解説・朝井リョウ)
明るい夜に出かけて(新潮文庫)
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明るい夜に出かけて
2019/06/23 14:41
孤独の壁に悩む時に読む薬
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:dsukesan - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分では、どうしても、自分を許せなかったり、みとめられなかったり。自信が無くなって、越えられない壁の前で、ウロウロせざるを得ないこともある。そんな時は、人目を避けて一人になりたくなる。
でも、そんな時、自分を見ている人から、ありのままに受け入れてもらえた時、初めて許されて、自分で自分を受け入れて立ち上がることができる。
自分でなんでも出来る訳ではない。自分自身すら、自分ではコントロールできない。
一人でいたいけど、人は、一人では立っていられない時があるかも知れない。
人を傷つけるのも人だけど、人を救うのも、人なんやと思う。
お互いに、見守れるような仲間や相方ってやつが居るといいなぁと、しみじみ思う。
人は、一人ではいきられぬ。パンと水だけでもいきられぬ。お互いに響きあって、心が動いて、身体が動いて、また、それが誰かの心を動かして。そうした連鎖、相互作用の中で生きていくもの。
そうした響き合うことは、クリエイターや表現者の原動力となるのだろう。でも、そうした表現の世界だけでなく、日常の人の営みの中でも、どうせなら、心地良く響合わせて、行けるといいなと思う。
明るい夜に出かけて
2022/07/25 18:10
夜型人間の皆さんへ
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:すぃ - この投稿者のレビュー一覧を見る
内気で人に近寄られると突き放してしまうが、どこかで人との繋がりを求めている主人公が実在する(した)深夜ラジオ番組を通じて繰り広げられる人間劇です。
実際に私も深夜ラジオが大好きで改編期の推しのパーソナリティの変更があるかどうかの不安感、新コーナーの始まる時のワクワク感、急に現れなくなったハガキ職人への心配など挙げればキリがありませんが共感できました。
深夜ラジオと言うテレビやインターネットの番組よりもどこか内輪的ノリみたいなわいわい感を味わって読みました。
2022/09/03 21:02
電波にのせた想い
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
コンビニバイトのハガキ職人から女子高生、同級生まで思わぬドラマが生まれています。顔が見えないラジオだからこそ、深い部分で繋がりあえるのかもしれません。