恐るべきさぬきうどん
著者 麺通団 (著)
ユースケ・サンタマリア主演の映画「UDON」のネタ本、第一弾。県内にその数およそ700店という「うどん王国」香川。その香川県人も知らない徹底ディープなうどん屋を求め、道なき道を行く“麺通団”。いわく、「秘境うどん屋」「製麺所合体型」「大衆セルフうどん」など、「恐るべき店」が勢揃い。全国にさぬきうどんブームを巻き起こすきっかけとなった、伝説的B級グルメ本である。さぬきうどんに興味があるなら、何はさておき、まずこの本を読むべし!
恐るべきさぬきうどん─麺地巡礼の巻─
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評価内訳
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恐るべきさぬきうどん 麵地巡礼の巻
2003/09/24 21:22
恐るべき第二弾!
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちはる - この投稿者のレビュー一覧を見る
「恐るべき」というタイトルを知人に紹介したら、「それって食べると危ないってヤツ?」と真面目に返されてしまいました。ご時世ですが、違います。むしろ「あなどれない」という意味で…。恐るべきは、読者を讃岐に誘うその吸引力でしょう。てらいのないライブのような文調は、瀬戸内地域および出身者にはたまらないのではないでしょうか。
さて、その第2弾(ちなみにネットで購入)、特筆すべきは「恐るべきロンリープラネット社」の章。知る人ぞ知る世界的な旅行ガイド発行社(たしか)ですが、筆者の知り合いの外国人が持っていた「JAPAN」のガイドブックに、なんとバッチリ! さぬきうどん、しかも麺通団がお勧めする穴場タイプの店がズラーリ、網羅されてしまっているのです。まさしく恐るべし! まんま引用されているページの細かい英字をついつい追って、いっしょに「おおーっ!」と叫んだりして。いや、冷静に考えると十年前なんですけどね。臨場感があるもので、つい…。
あと、前巻で、名前と場所だけでも、と記録された「東京に存在したさぬきうどんの灯」の店が、しぶとく生き残って登場します。首都圏在住者には嬉しいエピソードです。それとともに、やはり不安が浮かんできます。今、セルフの安いかなうどん店が街に乱立を始めていますが、「うまかった〜」という感想はまだ聞いたことがありません。ちなみに、讃岐のとなり愛媛でも、セルフのチェーン店が広がってますが、正直おいしくなかったんです。湯通しの腕がなかっただけかもしれませんが、自分の手間がかかるだけ、一般店タイプの方が面倒も間違いもないと思いました。今度チャレンジしてみようと思ってはいるのですが、もしや客の技量が問われるのでしょうか。どうせ問われるなら間違いなくウマい店に行きたいよな…と、やはり心は讃岐に向かうのでした。いつになることやら。
恐るべきさぬきうどん 麵地創造の巻
2003/09/24 20:30
十年一日、いまだに抱腹絶倒!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちはる - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルだけは以前聞いて「何だかスゴそう」と思いましたが、首都圏の書店ではトント見かけることなく、月日は過ぎてしまいました。現物を目にしたのは、2003年夏、郷里の松山空港(香川の隣県)で、出発ロビーの中の売店でした。狭い店頭の書棚2段がビッシリとこの本と続刊の2種類で埋め尽くされていた壮観(だよねぇ)に誘われるように、私は衝動買いしたのでした。一応新潮社だったから、手堅くこの巻だけ。
結果的にヒット(当たり)でした。ロビーの待ち時間にページをめくり始めたら、いつのまにやら忍び笑いを発していたようで、同行の子供(小1)が「面白いの? ねえ読んで!」。しつこくせっつかれて読んでやったら、わかってるんだかノリでなのか、大ウケ。後から考えるに、母の話し言葉(四国言葉に関西弁フリカケ付き)に非常にマッチした文調(筆者が讃岐弁に関西味付け)だったからかもしれませんね。
ま、そういう、他人とは思えないような感覚の方が、面白おかしく紹介する、超!ユニークで売る気のない美味しいうどん屋さん大連発! 冷静に考えると10年前の話なんですが、今、少しでも残っているのなら是非行きたくなる、そんな魅力にあふれています。ブームの黎明期に特有の瑞々しさがあって、文字通り道なき道をバク進するサマも笑えていいんですが、お店の方や常連さんもとってもいい味出してます。何より…うどんが滅茶苦茶ウマそう! これに尽きます。読んでしまった後、実はずっと不安にとらわれています。「もしや…私の食べたあのうどんもこのうどんも、本当のさぬきうどんではなかったのでは…(だって愛媛だし)」ヒトはこうして、讃岐巡礼の旅に出かけるのでしょうか?
恐るべきさぬきうどん 麵地創造の巻
2003/06/18 11:42
おいでませ。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:purple28 - この投稿者のレビュー一覧を見る
昨年原宿に「はなまるうどん」ができて以来、空前の“讃岐うどんブーム”となっている。その火付け役となったのが、コレ(間違いなく)。
何を隠そう(別に隠してはいないが)、私は香川県出身である。
小さい頃はうどんがおやつだったりした。近くのお店にうどん玉を売っていて、それをそのまま食べるのだ。醤油をかけてもうまい。
中学生の頃、近所のスーパーの一角に、「100円うどん」なるコーナーがあった。文字通り1杯100円だ。部活を終え家に帰る途中に立ち寄る。天ぷらなどのオプションを取ると晩ご飯が食べられなくなるので、うどんだけで我慢する。
給食には週に1度うどんの日がある。
高校の学食には当然うどんがある。もちろんセルフだ。どんぶりにうどん玉を入れてもらい、自分で湯通しし、だしをかけ、トッピング(かつおぶしやネギ、天かす、しょうがなど)を施す。150円也。
社会人になってからも、昼食は1週間のうち3日はうどん。それ以外に、晩ご飯でうどんを食べることもある。休日の昼は、平日には行けないうどん屋を狙い撃ち。さらに、週末は1日で3件ほどまわる“うどんツアー”を行ったりする。
以上が元香川県民(私)の生活。他の香川県民とも大差はないはず。
そんな“うどん大国”にありながら、それこそ“穴場のうどん屋巡りツアー”などがはやり始めたきっかけが間違いなくこの本なのだ。
当初の出版元であった「ホット・カプセル」という会社は、「タウン情報かがわ」という情報誌を出版するところで、「笑いの文化人講座」という本も出し、ごく一部に香川ブームを巻き起こしていた。そこに輪をかけて、本格的に全国に香川の文化を知らしめたのが「恐るべきさぬきうどん」。
とにかく元県民にとってはなつかしい。その語り口、方言に触れるうち、思考もすっかり讃岐弁に戻っていたりして。
なによりいいのが、本当に讃岐うどんのことを分かっている人が書いていること。過去、テレビ番組や一般の雑誌などで特集されていたりしたが、どれも納得できたためしがなかった。それは讃岐うどんフリークなら誰もが思っていたはずである。
しかし、この本はグルメ本ではない。うどん屋の情報誌でもない。
では何かというと、讃岐うどん文化を伝えるフィクションである(と思う)。麺通団の面々が、どのようにして衝撃のうどん屋と出会い、どんな情報交換をし、どうやってその文化を伝えていくかを模索する(そんな大げさなものではないが)。
「恐るべきさぬきうどん」が全国的に受け入れられたのには、内容の面白さがまずある。“麺通団”というあやしい集団に魅かれ、中でも団長のT尾さんの人柄に魅かれる。その人たちが紹介するうどん屋がまた魅力的なのだ(紹介の仕方が面白い、とも言う)。
周辺の環境や情緒、人の気持ちを含めた正確な“うどん屋情報”がそこにはある。どんな詳しい情報誌よりも、テレビ番組よりも、いいかげんな地図しかなく、お店の紹介よりもその店の噂や店主、そこに集うお客のことが詳しく書かれてあるこの本の方が、香川のうどん屋のことが正確に伝わる。
まず、本書を手に取ってください。読んでみてください。そして、興味がわいたらぜひ香川で本場のうどんを味わってください。この、“香川で”というのがかなり重要なのだ。
ちなみに、本書には讃岐弁が多用されているので、分からない点はお近くの元香川県民に尋ねてみよう(イントネーションも要注意なのだ)。
あー。おいしいうどんが食べたい。…香川に戻ろうかな。