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2件
燃えあがる緑の木
著者 大江健三郎
百年近く生きたお祖母ちゃん(オーバー)の死とともに、その魂を受け継ぎ、「救い主」とみなされた新しいギー兄さんは、森に残る伝承の世界を次々と蘇らせた。だが彼の癒しの業は村人達から偽物と糾弾される。女性へと「転換」した両性具有の私は彼を支え、その一部始終を書き綴っていく……。常に現代文学の最前線を拓く作者が、故郷四国の村を舞台に魂救済の根本問題を描き尽くした長編三部作。
燃えあがる緑の木―第三部 大いなる日に―(新潮文庫)
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燃えあがる緑の木 第1部 「救い主」が殴られるまで
2021/12/28 14:44
やはり欠かせない
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
『懐かしい年への手紙』の続編であり、同時にこれを批評的に書き直したものとでもすべきか。大江はこのような作業を繰り返し行っているが、この三部作はそれが最も成功したものだろう。
燃えあがる緑の木 第1部 「救い主」が殴られるまで
2019/12/24 04:08
重層的な物語
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:une femme - この投稿者のレビュー一覧を見る
簡素な文章で語られる物語に慣れてしまっているせいか、 まどろっこしい文章に戸惑うところもあったが、そのまどろっこしいような語りには、多様な問題が、幾重にも織り込まれているような重みがあるように思った。隠喩的なところは、難解とも受け取れるが、実際、現実においても、隠喩的な部分があるのだろうと思いつつ、ずっしりとした物語を辿るのは、読み応えがあるのは確かだ。