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電子書籍

深夜特急

著者 沢木耕太郎 (著)

インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行く――。ある日そう思い立った26歳の〈私〉は、仕事をすべて投げ出して旅に出た。途中立ち寄った香港では、街の熱気に酔い痴れて、思わぬ長居をしてしまう。マカオでは「大小(タイスウ)」というサイコロ賭博に魅せられ、あわや……。一年以上にわたるユーラシア放浪が、いま始まった。いざ、遠路2万キロ彼方のロンドンへ!

深夜特急

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みんなのレビュー27件

みんなの評価4.5

評価内訳

「飛光飛光 勧爾一杯酒――飛光よ、飛光よ、汝に一杯の酒をすすめん 李賀」

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:玉造猫 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本を読むとは、ときに不思議な体験だ。いまさらわたしが書評を書くなどおこがましい『深夜特急』。でもやはり書きたい。
 著者は二十六歳のとき一年かけて、そのときしかできない旅をし、十年後に『深夜特急』を二巻書き、その六年後に三巻目を書いた。さらに十六年たってその旅とその三巻の本に関する本『深夜特急ノート』を書いた。わたしはどの本も出版後すぐ読んだ。
 最近「初の短編小説集!」と帯に書いた著者の新刊『あなたがいる場所』を読んだあと、思いだして『深夜特急ノート』を本棚から出してきた。当然のなりゆきと言おうか、そのまま引き続き『深夜特急』を初めから終わりまで読むことになった。前は図書館のハードカバーで三冊借りたのだったが、今度は文庫で六冊買って読んだ。
 前は読み過ごしていたところに目がとまった。付箋を貼り、行に線を引き、読み終わってからまたその頁に戻った。
  
 飛光飛光 勧爾一杯酒

 文庫で5「トルコ・ギリシャ・地中海」篇、第十五章「絹と酒」。書簡体で書かれた章の中で、二十六歳の「僕」がギリシャのパトラスという町から船に乗り、イタリアのブリンディジに渡ろうとしている。青い地中海、空も陸さえも青い。「僕」は旅で出会った若者たちのことを思いだし、「彼らがその道の途中で見たいものがあるとすれば、仏塔でもモスクでもなく、恐らくそれは自分自身であるはず」だと思う。そして「取り返しのつかない刻がすぎてしまったのではないかという痛切な思いが胸をかすめ」、「僕を空虚にし不安にさせている喪失感の実態が、初めて見えてきたような気が」する。甲板で酒を飲んでいた「僕」は「泡立つ海に黄金色の液体を注ぎ込んだ」。
 ここで李賀の詩が出てくる。「飛光よ、飛光よ、汝に一杯の酒をすすめん。その時、僕もまた、過ぎ去っていく刻へ一杯の酒をすすめようとしていたのかもしれません」 
 
 五冊目まで読んでくる間、頭から抜け落ちていたが、李賀は実は一冊目、第一章でちゃんと登場していたのだった。Tシャツ三枚靴下三足といった持ち物のなかに本は三冊、西南アジアの歴史の本と星座の概説書と、読める本といえば中国詩人選集の李賀の巻だけ、として出てくる。
 李賀という詩人について、わたしは、昔『深夜特急』を読んだときはもちろん今回再読したときも、名前さえ知らなかった。それで読み落としていたのだ。
 ここへ来て初めて一行だけ李賀の詩に触れ、とりあえずネットで検索してこの詩を全部読んだ。詩集を読むのは改めてのことにしても、李賀がどういう詩人か、だいたいのところを知った。
 その目で読み直すと、『深夜特急ノート』には、持っていく本になぜ李賀を選んだかについての言及があった。 二十七歳で夭折に近い死に方をした、「長安に男児あり 二十にして心すでに朽ちたり」という詩がポール・ニザン「ぼくは二十歳だった。それがひとの一生でいちばん美しい年齢だなどとだれにも言わせまい」と共鳴しあって記憶に残った、と言っている。

 わたしは唸った。著者は最初に李賀の名前だけをさりげなく出しておき、終章近くで詩人の神髄に触れる一行を置く、しかしこれもさりげなく。
 しかも最初と最後が書かれた間には六年もの時間がたっていたのだ。  

 若いとき読んだ『深夜特急』はひたすらおもしろく、わたしはこんな風にしてひとり旅をしたいと思ったものだ、もちろんできはしなかったけれど。今老齢になっても、香港のところを読めば、もしかしたら香港だったら行けるかもしれないと思い、パリのところを読めば、それなりの旅行ならパリだって不可能ではないかも知れない、と性懲りもなく夢想している。
 だがそういうことと別のところで、年を取って再び読んだこの本は、わたしのお腹の深いところに響いた。

 飛光よ、飛光よ、汝に一杯の酒をすすめん。

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紙の本深夜特急 1 香港・マカオ

2012/06/04 16:36

バックパッカーのバイブル

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぽかぽか - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本を読んでバックパッカーに憧れ、実際に世界を旅した人は少なくないだろう。冒頭の香港を訪れた時に感じた町の熱気と興奮が、時間と共に薄れ、後半になるにつれて薄い毎日が倦怠感と共にだらだら過ぎていくあたりは、実際にバックパッカーの経験ある人なら誰しも感じるところ。掛け値なしに面白いです。

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紙の本深夜特急 1 香港・マカオ

2002/07/30 00:47

読んでから人生が変わった

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ヒロト - この投稿者のレビュー一覧を見る

会社を辞めた沢木は、ほどなくルポライターを始めるが、初めて出版した本の印税すべてを持って、インドからロンドンまで、陸路で、それも乗合バスに乗っての旅に出かける事を決心する。
1巻では、インドまでの途中に寄った、香港・マカオでの生活、2巻では、タイから、マレー半島・シンガポールへの旅の様子、3巻では、インドからネパールでのたびの様子が書かれている。4巻以降は、本来の旅の目的であった、インドのデリーから、ロンドンまで、バスに揺られながら、旅をし、現地の人と交流していく様子が書かれている。旅を続けるうちに沢木は、現地の人と同じ視点で、文化と生活を吸収していく。アジアの素朴でかつ、強烈なパワーを読み取ることができる作品である。

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紙の本深夜特急 1 香港・マカオ

2002/04/26 11:04

さあ香港へ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くも - この投稿者のレビュー一覧を見る

 26歳にして初めて国境を越えた著者がその魅力に取り付かれた世界が香港だった。その例えようもない熱気に毎日うなされるようにひたすら見て、食べて、聞いてまわった。マカオでギャンブルにはまり、あわやという場面には思わずハラハラさせられた。
 本書を読んで是非とも香港をこの目で見てみたい思いに駆られたが、先日それを実現した。本書で著者が体験した香港ははるか昔のことだが、それでも香港独特の熱気やエネルギーはそれほど変わっていないのではないか。香港の街並みをぶらつきながら当時の著者の心境を思い、想像を膨らませた。

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紙の本深夜特急 1 香港・マカオ

2001/12/06 01:48

ある日突然一人旅に出かけたくなってしまう

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:紗斗実 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 インドのデリーからイギリスのロンドンまでバスを乗り継いで行ってみよう。その計画の前哨戦のような、香港滞在編である。出発地点はデリーだったはずなのだが、飛行機のチケットの関係上、途中寄り道ができることがわかり、まずはいまにも落ちそうなオンボロ飛行機にて香港へ旅立つ。
 地図もなく、当然ホテルの予約などもしていない著者は、偶然「黄金宮殿」という宿屋に滞在することになる。そのきらびやかな名前に反して、シャワーは満足に出ない、特大のゴキブリがカサカサいっているようなところだ。だが、その安さとうさんくささを気に入った著者は、ここに何週間もいつづける。
 その間の、マカオでのカジノにはまるくだりが面白い。読んでるこちらまで熱くなってしまう。あわや一文無しか、というところまで落ち込んでしまったり、パターンをつかんで勝ちまくったり。
 彼は旅先で面白いことを見つける天才だ、と思う。その天才が遭遇して見出した出来事が満載の一冊。これを読むと、ぶらりと一人旅に出かけたくなる。

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紙の本深夜特急 1 香港・マカオ

2017/04/26 08:13

羨ましい・・・

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よこりんくん - この投稿者のレビュー一覧を見る

こんな旅、してみたい。
まるで自分が旅の渦中にいるみたい。
贅沢旅行記よりもずっと面白く、異国文化の勉強にもなる。

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著者の旅から35年以上経つのだろうが、今読んでも色褪せない、輝く旅の記録である

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:大阪の北国ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る

いよいよ旅の最終地点ロンドンへ・・・の筈が、その前に大迂回してスペイン・ポルトガルへ。もう何時でも日本に向かえる場所にいながら、敢えて旅を終わらせるつもりのない著者の気持ちが伺える。当時、若者の思考を表すコトバとしてモラトリアム人間などというのが流行ったが、そのような心持ちだったのだろうか。
リスボンのレストラン街で、見知らぬ しかし親切な男に声を掛けられ海の幸とビールをご馳走になり、そして実質 旅のゴールとなるサグレスという町を知る。そしてそこにはあたたかいファミリーが旅の終わりを演出してくれる。
その後、パリに向かい、ロンドンでの幕切れへと進んでいくが、やはりこの旅の精神的終点はポルトガルで構わないと思った。
6巻を読み終えて、著者と一緒に旅した心地よい疲労感が残った。

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本巻の終わり近くに珠玉の場面がありました

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:大阪の北国ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る

旅はイランの首都テヘランへ。ローカルバスの旅で観光地化されていない、現地の人々や外国人貧乏旅行者との車中でのやりとりも面白い。
ノアの方舟の聖地アララト山を眺めながら国境を越えトルコへ。アンカラで日本からの使者をつとめたドラマや、イスタンブールで雑踏にまみれながらする町歩きなど読んでいて楽しい。
ただ著者も書いているが、旅に慣れてきたこと、またアジアからヨーロッパに近づくにつれ、いわゆる近代化された地域が日本と変わらなくなっていくことに、旅のはじめ頃の圧倒感がなくなってきている様子も読み取れる。
本巻の最後を飾るギリシア、パトラスでのエピソードには、読者としても心が洗われる思いがした。それは、道ですれ違った現地の青年から見ず知らずの家の誕生会に招待され、おじいさんから孫たちまでの食事会で、著者が退屈そうにしている子供のために始めた日本の紙ヒコーキ遊びに全員が興じ、そのまま言葉も通じない、その家に泊めてもらう場面。全部でたった5ページ分の記述だが、全編の珠玉とも言える箇所である。その最後の6行を引用させて貰う。
『その夜、私たちは何ひとつまともな会話はできなかったが、少しも退屈しなかった。顔を見合わせニコニコしているだけで充分だった。
用意されたベッドで横になった私は、電気を消した部屋の中でなかなか寝つかれなかった。それはベッドのスプリングや枕などのせいではなく、この一夜が旅の神様が与えてくれた最後の贈り物なのかもしれないな、という感傷的な思いがどうしても消えようとしなかったからだ。』
いい話に感動した。

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電子書籍深夜特急4―シルクロード―

2016/11/12 21:37

著者の深い精神性が読める痛快な書だった

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:大阪の北国ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る

インド/デリーを出発し、パキスタン、アフガニスタンを経てイランに至る。この地域は文化や風俗の集積度から考えて、現代の南西シルクロードとも言えるアジアハイウエイ1号線の山場の一つである。著者が乗合いバスを使うことで、現地の市井の人々の暮らしぶりを教えてくれる。本巻でも3巻までと同じく、学術論文やごく普通の紀行文では読めない生の生活の一端を紹介してくれるのが大変面白い。
著者の考え方に特に共鳴した点-名言だと思う-を2点挙げておく。
○周囲に坐っているアフガン人の好奇の眼がうるさく、ときおり示される親切がわずらわしかった。私たちのような その日ぐらしの旅人には、いつの間にか名所旧跡などどうでもよくなっている。旅にとって大事なのは、その土地で出会う人なのだ。ヒッピーとは、人から親切を貰って生きていく物乞いなのかもしれない。少なくとも、人の親切そのものが旅の全目的にまでなってしまう。それが人から示される親切を面倒に感じてしまうとすれば、かなりの重症といえるのかもしれなかった(P.82-83から抄録)。【筆者感想:単なる自分勝手だと思う】
○私自身、旅の最中に、いったい何百、何千の物乞いに声を掛けられ手を差し伸べられたことだろう。だが、私はそのたったひとりにすら金を恵んでやることがなかった。ひとりの物乞いに僅かの小銭を与えたからといって何になるだろう。しかも、人間が人間に何かを恵むなどという傲慢な行為は、とうてい許されるはずのないものだ。そのような思いが私に物乞いを拒絶させた。しかし、それは単に「あげない」ための理由づけにすぎないような気がしてきた。自分が吝嗇であることを認めたくないための、屁理屈だったのではないだろうか。そうだ、俺はただのケチであるにすぎなかったのだ。そこまで考えが及ぶと不思議に気持ちが軽やかになってきた(P.104から抄録)。【筆者感想:精神的にも無限に与えることができれば、それは神の子の領域に近づけるのかも知れない。憧れます】
以上だが、前にも書いた如く著者の深い精神性が読める痛快な書だった。

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紙の本深夜特急 3 インド・ネパール

2016/10/23 11:00

「ある意味、人間の最も苦しい生き様」を一緒に体験させてくれた。素晴らしい本。

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投稿者:大阪の北国ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る

今まで香港・マカオ・マレー半島・シンガポールと回ってきて、社会の貧困層を見てきた著者だが、綺麗に言えば『エスニック』な世界を体験してきたという範疇に入れても問題なかったと思う。
しかしこの巻からはもうそのレベルではない。インド・カルカッタに着き、いきなり連れていかれた10歳そこそこの少女がもう何年も客を取っているらしき売春宿、外に出た道路で無数のうごめく物乞い貧老人に足を掴まれて動けなくなるシーン、公園で地面が蠢動すると見えた鼠の大群、スシ詰めの列車の最上席は頭上の荷物棚であるのを発見したこと、ガンジスに水葬されていく多くの人々等書ききれない地球上の最貧困の一部が凝縮されている。
その中での一抹の救いは、日本の農大生たちと一種のボランティアとしてアウトカーストの子供たちに農業技術を教えにいく合宿に参加し、現地の子供たちと心を通わせ娯楽のない彼らが大変喜んだ場面。しかし、それでも最後に施設責任者は語学のできない農大生に「支援の意味がない」という不満を漏らす。子供たちを育成する中での彼の期待は理解できるが、精一杯尽くしてくれた学生達に感謝もせずにクレームを漏らすのは、例えば人力車に乗る前に交渉して決めた運賃を、降りる際に道が悪かっただの混んでいただのとの理由をつけて高い値段を吹っ掛けてくるインド人の思考様式に共通するものが感じられた。貧困が度を超すと「厚かましさ・ずるさ」の温床となり、相手に敬意を持つとか、礼儀正しいとかとは無縁の世界に陥ってしまうことを改めて感じた。人間がギリギリの命がけで生きている世界では当たり前のことであり、ビジネス上よく言われる「インド人はハードネゴシエーター」との評価の所以かも知れない。江戸から明治にかけて、儒教精神も取り入れながら日本社会を節度と礼儀ある姿に作り上げてきた先人達に敬意と感謝を表明するものである。(昨今の節度と礼儀を持たない人々は、理想的日本人とは思わない。)
ストーリーはネパール・カトマンズで身近に体験した麻薬の話、インドに戻り熱と病気に苦しむ話などにつながっていくが、教科書的ではない現地の生の地誌を追体験させてくれる痛快な本であった。巻末の、上記農大生シーンの前後に登場する此経さんとの10年後の対談も「ぶっちゃけ話」が多く、楽しめた。
文句なく面白い本。

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旅行記としても、自己省察の書としても文句なしに面白い

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:大阪の北国ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る

今はチャオプラヤ川と言う、当時メナム川畔のバンコクからマレー半島を南下し、チュムボーン、スラタニー、ソンクラー、マレーシアのバターワース、ペナン、クアラルンプール、マラッカなどの中小の町々を「体験」してシンガポールに落ち着くまでの道中模様を描く。前巻から引き続いてはいるが、一層輪をかけて面白いのは、著者内面に対する自己省察の程度が深まっていること。例えば行く先々で夫々新しい南国風景や食物・習慣を目の当たりにしながらも「香港ほど刺激的ではなく退屈」と感じていた原因が「全ての町に香港のコピーを追い求めていた」と気づき、自らの人生と同様 それに気づくのが遅過ぎたと振り返る箇所。これに気付いたことで、次巻の巻頭からは新しい町毎に新鮮な感動が続いていくものと期待されるが、この過去に素敵だった「香港」という町の刺激が忘れられず、そのコピーを幻影のようにずっと追い求めてしまい、結局いつまでも満たされない失望に苦しむというような経験は誰にでもあり得ると感じた。
もう一ヵ所、衝撃を受けた箇所があって、それはペナンの現地青年が「日本企業はひどい。ダムを作れば日本の資材と技師で作ってしまうし、工場を作れば組み立て工場ばかり。マレーシアの連中には何ひとつ勉強させず、安い賃金でこき使うばかりだ。マレーシアには仕事がないのをいいことに、日本人は吸い上げることしか考えない」と憤る場面。現在の中国が世界の新興国で批判をあびる一方、日本企業は『現地人の育成と共存共栄』を謳ってそれを批判し、値段が高くても買って貰おうとしているが、その今の中国と全く同じことを40年前の日本がやっていたし、それが現地憎悪の対象となっていたということ。ブラックジョークそのものだし、やはり衣食足りて余裕ができないと自分の儲けしか考えられない、狭小な器の人間にしかなれないのかと残念に思った。我々は現在の中国人の行動様式を少したりとも批判する資格など持ち合わせていないのではないかと、恥かしく思ったのだ。
僅か200ページながら、以上感じるところの多い本であった。

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紙の本深夜特急 1 香港・マカオ

2016/10/02 12:57

普段の電車で読むなら、肩の凝らないこんな本がおススメです。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:大阪の北国ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る

単なる行き場を失った若者の放浪随想記などと解すべき書ではない。大げさに明治期の哲学者の名を挙げ、それに匹敵するというつもりはないが、この本を表面的にだけ読んで「旅は自分でするしかない」などと著者に失礼なレビューを書いている人はよく考えた方がよい。冒頭のデリーや続く香港での目的のない旅の「目的」についての気持ちの動き、マカオでの賭博である法則に気づいた後に展開される著者と胴元との精神戦など、凡人では書けない描写が生き生きと活写される。
エンターテイメントとしても楽しめる極上の一冊である。

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電子書籍深夜特急1―香港・マカオ―

2015/11/23 00:18

旅に出たくなります!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:hitorin ♪ - この投稿者のレビュー一覧を見る

テレビを見ていて、誰かがこの本について感想を述べていて、とても気になったので、電子版をダウンロードしました。主人公の気持ちに寄り添いながら、読み進めました。この本に影響されて、バックパック一つで旅に出る若者がいるそうですが、若い頃に出会っていたら、私も行動していたかもしれません。続きが楽しみです。

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電子書籍深夜特急1―香港・マカオ―

2015/02/22 15:28

バックパッカーのバイブルと称される本

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読者 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「インドのデリーからロンドンまで乗り合いバスで行く・・・」
その壮大な1年以上に渡る旅を綴った読み応えあるエッセイ。
単なる旅行記という枠組みを超え、臨場感あふれる描写が読者を本の世界へと引きこむ。この本に憧れて旅に出る人も多い。私にとってもこの本はバイブルだった。旅に出てみたい、興味があるという人にお勧めしたい本。

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電子書籍深夜特急4―シルクロード―

2013/07/23 11:06

深夜急行

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:こみ - この投稿者のレビュー一覧を見る

沢木耕太郎の名著

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