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6件
二つの祖国
著者 山崎豊子 (著)
アメリカに生まれ、アメリカ人として育てられた日系二世たち。しかし日米開戦は彼らに、残酷極まりない問いを突きつけた。アメリカ人として生きるべきか、それとも日本人として生きるべきなのか――。ロサンゼルスの邦字新聞「加州新報」の記者天羽賢治とその家族の運命を通して、戦争の嵐によって身を二つに裂かれながらも、真の祖国を探し求めた日系米人の悲劇を描く大河巨編!
二つの祖国(四)
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二つの祖国 第1巻
2016/02/19 16:12
折に触れて読み返したい
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なりす - この投稿者のレビュー一覧を見る
先の大戦にまつわる本をいろいろ読んできましたが、東京裁判とフィリピンでの無謀な戦いについては、かなり克明に学ぶことができます。
日系アメリカ人が米国にどのように扱われてきたか。米国人性、日本人性についても知ることができます。人はだれかをターゲットにして差別しないでは生きておられない存在なんだと。
最終巻で、主人公が拳銃自殺するシーン、心理描写はわたしにも手に取るようにわかり、読後はものすごいしんどかったです。深夜に読むべき小説ではありません。この小説を読むと「アメリカ人のおかげで日本が復興できたんだ」などという論にはたどり着かないです。
二つの祖国 第1巻
2019/02/19 19:46
来月のテレ東での放送に向けて、予習しています。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:御室 みやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
山崎豊子さんの作品、これまでもたくさん読んできました。
戦争三部作と言われている『不毛地帯』の後、次に読んだのが、『二つの祖国』です。
日系移民として、アメリカで生活しているにもかかわらず、ジャップと呼ばれ続け、差別される、そして、収容所に収容されるなど、読むたびに、ページをめくる手が止まってしまうことも何度かありました。
特に第二巻の後半では、広島と長崎の原爆の悲惨さを目の当たりにした描写、第三巻の東京裁判の通訳のモニターとして活躍する主人公の天羽賢治から見た戦後日本そのものを写しています。
賢治の妻エミー(恵美子)は、そんな彼の姿を理解し、支えようとしない、そんな印象すら感じてしまいます。もし、賢治が新聞社時代の同僚 井本 椥子と一緒になっていたら、ストーリー展開は違ってくるのかな?
第一次世界大戦はもちろん、その後の第二次世界大戦、太平洋戦争など、半世紀以上前の戦争は、どんどん過去のものと化し、風化していますよね?また、1990年代の湾岸戦争はもちろん、アフリカの一部地域で紛争が起きていることなど、今後私たちがこの現実から目をそむけないよう、この本を通して学んでいきたいと思います。
来月、テレビ東京で2夜連続で放送されるに当たり、今、読み返しています。放送当日までにきちんと、戦前、戦後の日本史や社会情勢をきちんと把握しておかないと・・・
二つの祖国 第4巻
2024/05/31 17:08
過去の問題ではない
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
最終刊である第四巻は、東京裁判の続きと、賢治たちのその後が描かれる。
終戦を迎えようと、裁判で片を付けようと、戦争は終わらない。失われた命や、犯された個人の尊厳は元には戻らない。
日系2世の人たちの歩みをたどることで、私たちはもっともっと戦争の不条理を知るべきだ。終戦ですべてリセットして平和になったとか、アメリカと日本は仲良くなったとか、そんな表面的なことではなくて、歴史を知り、考えなくてはと改めて考えさせられた。

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