なりすさんのレビュー一覧
投稿者:なりす
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2016/11/03 06:49
泣けました
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ひきこもりも摂食障害もDVも経験ないですが、
彼らから普遍性のようなものはきちんと受け取れるし、
自分も見た目はふつうの家庭で育ってきたけれど、
結局は傷ついてきたし、今でも思春期は終わってないのだと痛感しました。
大人になってから友だちなどに「親子の立場が逆転してるよ。しかも、あなたは妹なのに、お姉さんの方が幼いし、あなたの方がお姉さんのよう」と友だちに言われて、ひどい家庭環境で育ったんだなあ。思春期をスキップしてきてしまったんだなあとよく思ったものです。
そして、わたしはいま四十路ですが、いまやっと思春期のようなものが到来、抜けるまでには十分時間をかけるべきだろうと思っています。
紙の本二つの祖国 第1巻
2016/02/19 16:12
折に触れて読み返したい
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先の大戦にまつわる本をいろいろ読んできましたが、東京裁判とフィリピンでの無謀な戦いについては、かなり克明に学ぶことができます。
日系アメリカ人が米国にどのように扱われてきたか。米国人性、日本人性についても知ることができます。人はだれかをターゲットにして差別しないでは生きておられない存在なんだと。
最終巻で、主人公が拳銃自殺するシーン、心理描写はわたしにも手に取るようにわかり、読後はものすごいしんどかったです。深夜に読むべき小説ではありません。この小説を読むと「アメリカ人のおかげで日本が復興できたんだ」などという論にはたどり着かないです。
2016/10/25 15:49
お初。
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手塚治虫の作品はほとんど読んだことがありませんでした。
「鉄腕アトム」や「ブラックジャック」も若いときに友だちに借りてさらっと読んだ程度。
戦争ものを集中して読んでいたときに、たまたまこの本に巡り合いました。
ドイツナチス、ゾルゲ事件、ユダヤ人のことを、日本人にうまく絡めて、よくまとめたなあと脱帽。最後はイスラエルのことまで、いろんな要素をきちんと取り込んでいる。
繰り返し読みたい本です。
水木しげるより戦争を取り扱った本として、まとまり感は卓越しています。水木しげるは戦場に出向いた人なので、彼にも敬意を抱いていますが。
紙の本世界の果てのこどもたち
2016/10/25 13:39
平易な文章の中に
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中脇初枝さんの書籍は初めてでした。
中高生でも読めそうな平易な文章ですが、
ものごとの神髄からまったくずれない心意気が
十分に伝わってきました。
山崎豊子の「大地の子」ほどの密度の濃さはありませんが、
子供というフィルターを通した戦争の全体像が
きちんと描かれています。
どんなときも心優しい弱者が被害を受ける。
大人はそれに気づく責任がある。
子供は大人のアクセサリーやペットではありません。
紙の本永い言い訳
2016/02/19 16:21
映画が楽しみ
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西川美和さんは映画監督として前々から尊敬していました。小説と映画、どちらが西川ワールドとしてレベルが高いかというと、やっぱり映画(映像の世界)かもしれません。でも、巧みな構成は圧巻です。章によって主役を変えるところ、おのおのの場面をどうやってリンクさせていくか、まさに映画を観ているよう。
2016年に公開される映画も大変楽しみです。
紙の本かないくん
2016/02/19 16:16
さすが!
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膝を打ちます。ほぼ日らしい。谷川俊太郎の詩も最高ですが、松本大洋もいわずもがな。ほぼ日サイトで、谷川さん、松本さん、糸井さんの3人の対談のようなものがサイトで見られますが、それを読むともっと感動できます。細部にわかって、絵本というのは魂が宿ります。これは芸術そのものです。
2016/05/25 15:02
強烈でした
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福島のことを学ぶにはまずはチェルノブイリを。
強烈でした。
ロシア人(ウクライナ人)もっとしっかりしてよ、
役人の暴走を許しちゃいかんよ、
自分で考え自分の確固とした意見を持とうよ、
日本人もかなり似てるけど。
このひと言につきます。
脱原発なんて、今は死語かもしれませんが、
やっぱりそれを目指す意味はあるでしょう。
広島・長崎に対して失礼ですよ。
日本はきちんと目指すべき方向性を定めるべきです。
と書いているとお怒りを買いそうなので割愛。
紙の本村上春樹とイラストレーター 佐々木マキ、大橋歩、和田誠、安西水丸
2016/11/08 06:56
あらためて
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本の表紙ってさらっとは見るけれど、隅々まで克明には観察しませんよね?(大橋歩さんや水丸さんの作品はエッセイ等に挿入されているから別であるとはいえ)
で、あらためてこの本でじっくりと観察してみる。。。
色使いや細部にいろんな発見や、絵画独自の広がりのようなものを感じることができます。画家たちの文章は創作の裏話のようで興味深い。
春樹さんのコメントは、オリジナルの状態でほかで読んだので新たな発見はなかったです。
実際、東京で行われた展示会に行けなかった人に向けた本だと思います。
造りがしっかりした本なので、この値段なのだなあと納得しました。紙の本は、作り手の過程がじわじわと伝わってくるアナログな世界ですね。高いけど、納得です。
2016/10/25 16:01
取材力と文章力
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死刑制度について、考察を深めたくて購入。
「死刑囚になってはじめて、自分の罪と向き合うことができるのだ」、というセリフには震撼しました。
報復的になりがちな死刑制度には基本的には反対です。
人間という存在そのものが暴力性をもっているのだから犯罪は決してなくならない。そして、死刑によって社会がよい方向に前進するとは思えない。
門田隆将の取材力と文章力に、とにかく引き込まれます。
2016/10/25 15:41
今となっては貴重です
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河合隼雄さんの対談集です。
山田太一と村上春樹のところを読みたいと思い購入。
臨床心理士らしい、深く穏やかな対話満載です。
紙の本片手の郵便配達人
2016/10/25 15:36
淡々とした
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ストーリーです。ドロドロ感はありません。
情景描写が素晴らしいので、ドイツの山奥の片田舎に
自分もいるような錯覚に陥ることしばしば。
映画を見ているよう。
じわじわ迫りくる敗戦色。
最後のシーン、唐突感はありますが、
戦争とはこういう超理不尽で不毛な事態をもたらすのだということを作者は言いたかったのかなと思います。
紙の本何もかも憂鬱な夜に
2016/11/04 17:57
局所では光る
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小説です。(逆にいうと、大局的には胸にぐっとくるものはなかったです)。
死刑制度や友だちからの手紙など随所で本筋を貫くところはあり、そこは魅力的。
ですがやたら句読点が多いし、場面が急に変わったりして、さらっと読めるわりに…、相性の問題かもしれませんが。
巻末のピース又吉による解説に似たような感想を抱いています。
紙の本十字架
2016/02/19 16:06
うーん
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約10年ぶりの重松作品で3冊目です。きっかけはシネコンじゃないマイナーな映画館で予告編を見て、俳優永瀬正敏の名演ぶりにまずは原作を、と思い。
あとがきにもあったけど、重松清はいじめによる自殺した子の親を取材して、その人を主体にした作品を書こうと思ったんだとわかった。一応、主役は自殺した子の友だちにはなってるけど、それは彼のトリックらしい。
正直、辟易としました。親として、「見殺しにしたんだろ」とただ友達を責めるなんて子どもみたいじゃないか。見殺しにしているわけじゃない!と心の中で叫びながらずっと読んでいました。中学生って人生の中で最もしんどい時期で、そういうところに対して慮る大人らしい想像力が皆無。
親としてできることはなかったか、「俺は息子にとってよき父親だったか?」と自問自答し、健全な自己懐疑をしたのかどうか、そこについて何も描写がない。あの卑劣な言動「お前たちを憎んではいない、でも許してもいない」って、「もうええわ、そんな子どもみたいな言葉、不要」とうんざりしました。
再読はしません。わたしにとって、何度も手に取り、読み返したくなる本では、ありませんでした。
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