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4件
奇譚蒐集録
著者 清水朔
大正二年、帝大講師・南辺田廣章(みなべだこうしょう)と書生・山内真汐(やまうちましお)は南洋の孤島に上陸した。この島に伝わる“黄泉(よみ)がえり”伝承と、奇怪な葬送儀礼を調査するために。亡骸の四肢の骨を抜く過酷な葬礼を担う「御骨子(ミクチヌグヮ)」と呼ばれる少女たちは皆、体に呪いの痣(あざ)が現れ、十八歳になると忽然と姿を消す。その中でただひとり、痣が無い少女がいた。その名はアザカ。島と少女に秘められた謎を暴く民俗学ミステリ。
奇譚蒐集録―鉄環の娘と来訪神―(新潮文庫nex)
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奇譚蒐集録 2 北の大地のイコンヌプ
2022/10/08 01:20
また悲劇をとめられなかった感じが
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投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作で北海道に変わった婚礼を行う村の話を聞き、アイヌの元へ訪れる二人。
今度は北の地で人鬼の悲劇に立ち会う民俗学ミステリー第二弾。
真相のミスリードには見事に引っかかったね。
そしてまた真実に肉薄しながらも悲劇を止められなかった廣章は、なんというか危機感に欠けているのではって気がする。
村で妾を作る風習がなかったのは、祖先達は人鬼の自覚があって、家畜のように実験で交け合わされてきたから、悪戯に人鬼を増やすことに忌避感があったのかなぁ。
女児ばかりが生まれやすかったのは近親婚の弊害だったのだろうか。
奇譚蒐集録 3 鉄環の娘と来訪神
2024/02/10 00:07
今回はちょっと主人公たちの影が薄めかも
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
お家の役目で長野に向かい、禁足地のお山で奇妙な祭りにオトナイ様として招かれることになる。
帝大で教鞭を執りながら人鬼について調べている良家の三男坊とその付き人書生の民俗学ミステリー第三弾。
毎回毎回、因習に振り回された悲劇の被害者を救えないシリーズなの胸に刺さる。
今回は人鬼の存在感は薄いが、人鬼と実験施設だった操練所、それから薩摩の関係が浮かび上がった。
次巻は薩摩なのかな?
因習から解放されるのはいいけど、毎回真汐と共に無力感に苛まれる話だわ。
2022/09/26 12:56
沖縄の孤島で奇怪な風習を巡るミステリー
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投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
華族の末息子であり帝大の臨時講師をしながら趣味で奇譚収集をしている先生と、その付き人の書生が琉球の孤島に訪れる。
百年前に島に鬼が出て島民を何十人も惨殺した伝説があり、また不思議な葬送法を行うと聞いてそれを見聞きしにきたという。
二人が弔い人の少女と出会うことで、島の秘密が暴かれる。
民俗学ミステリー。
民俗学とか独自風習とか心惹かれるので読み放題のうちに読んでみた。
最後まで島言葉(ウチナーグチ)はルビないと読めなかった。
物語としては悲劇だけど、禁忌の風習に焦点を当てると出てくる物語は悲劇なんだろうなぁ。