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5件
世界システム論講義 ──ヨーロッパと近代世界
著者 川北稔
“近代世界を一つの巨大な生き物のように考え、近代の世界史をそうした有機体の展開過程としてとらえる見方”、それが「世界システム論」にほかならない。この見方によって、現代世界がどのような構造をもって成立したかが浮き彫りとなる。すなわち、大航海時代から始まるヨーロッパの中核性、南北問題、ヘゲモニー国家の変遷など、近代のさまざまな特徴は、世界システム内の相互影響を分析することで、はじめてその実相を露わにするのだ。同時にそれは、歴史を「国」単位で見ることからわれわれを解放する。第一人者が豊富なトピックとともに説く、知的興趣あふれる講義。
世界システム論講義 ──ヨーロッパと近代世界
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世界システム論講義 ヨーロッパと近代世界
2016/04/20 23:19
批判はあるもの
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:simon.n - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書はウォーラーステインの提唱した近代世界システム論を著者がコンパクトに導入したものです。
近代世界システム論の考え方は今日では浸透してきており、したがって批判もそれなりにあるわけですがとはいっても重要な思考法であるように思います。どうしても歴史というと教科書的な、歴史を大きく年代と政治・経済の二軸で切り取る考え方をイメージしがちです。しかし人間の歴史をより構造的に、相互連関的にとらえようとしたウォーラーステインの発想により一般的なとらえ方では見えづらかった地域同士の関連などが浮き彫りにされます。そうしたところにやはり重要なブレークスルーがあったように感じます。
歴史に興味がある方は是非読まれてみるとよいと思います。
世界システム論講義 ヨーロッパと近代世界
2020/04/13 11:31
世界システム論という観点から世界を眺め、歴史を見た画期的な書です!
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、世界システム論という視点に立って現代世界がどのような構造をもって成立したかを考察した画期的な書です。世界システム論とは、近代の世界を一つの巨大な生物のように見なし、近代の世界史をそうした有機体の展開過程としてとらえる見方を言います。この見方をとることで、大航海時代から始まるヨーロッパの中核性、南北問題、ヘゲモニー国家の変遷といった近代世界のあらゆる特徴が初めてあらわになるというのです。そして、私たちが固定観念としてもっている「国」単位で見るという歴史観、世界観から解放してくれるというのです。同書は、読者の知的興味を引く非常に面白い一冊です!
2024/09/22 09:31
世界を一つの流れで俯瞰できる
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けんけん - この投稿者のレビュー一覧を見る
非常におもしろかった。歴史には必ず因果がある。世界中がある意味一つになった今、これからを考える上でも読んだ方がよい。
個人的におもしろかったのは日本人には外国のような公共の概念はわかり得ないということ。