- みんなの評価
1件
ハーバート・スペンサー コレクション
著者 ハーバート・スペンサー , 森村進
19世紀、日本をはじめ世界中に圧倒的影響を及ぼしたスペンサーは、20世紀に入ると、社会的ダーウィニズムを唱えた弱肉強食の冷酷な思想家として激しい批判にさらされ、忘却された。しかし、そうした理解は正当だろうか? 否。自由の意味を根源から問うたその議論は、いまこそ再評価されるべきである。本書では、彼の思想の核心を伝える論考を精選して収録。そこからは国家の強制による福祉ではなく、個人の自発的な意志に基づく協力の原理を探究し、社会的弱者への慈悲を説いた姿が浮かび上がる。国家を無視する権利まで容認する、その徹底した自由の理論を詳らかにする。文庫オリジナル編訳。
ハーバート・スペンサー コレクション
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
ハーバート・スペンサーコレクション
2020/04/16 11:37
ハーバート・スペンサーの思想の核心に迫った貴重な一冊です!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、イギリスの哲学者であり、社会学者であり、倫理学者でもあった19世紀に活躍したハーバート・スペンサーの思想を再考した貴重な一冊です。彼の思想は「社会進化論」とも言われ、代表作『第一原理』では現実世界の全ての領野に通底する進化論的原理を説き、人間社会が軍事的タイプから産業的タイプに進化していくと説かれました。また「適者生存 (survival of the fittest) 」という言葉を造ったのも彼でした。こうした思想のために、20世紀に入ると、「弱肉強食の冷酷な思想家」と見做され、激しい批判に晒され、やがて忘れ去られるのですが、 同書の著者は、それが本当に正当な評価なのか、と疑問を呈して、スペンサーの思想を再度、見直し、検証していきます。そこで著者が見つけた真実は、国家の強制による福祉ではなく、個人の自発的な意志に基づく協力の原理であり、社会的弱者への慈悲を説いたスペンサーという思想家の姿でした。国家を無視する権利まで容認する、その徹底した自由の理論を説いたスペンサーの思想の核心に迫った貴重な書です!