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呪われた部分 ──全般経済学試論・蕩尽
著者 ジョルジュ・バタイユ , 酒井健
「“全般経済学”とは、生産よりも富の“消費”(つまり“蕩尽”)のほうを、重要な対象とする経済学のことである。」経済合理性の範疇に収まらない蕩尽・祝祭・宗教・エロス・芸術は、人間の喜びの本質が有用性の原理に拠って立つ生産・蓄積過程にあるのではなく、消費・蕩尽にあることを示す。本書は人間が不可避的に内包せざるを得なかった「過剰」を考察の対象にして人間存在の根源に迫り、生を真に充実させるために、蕩尽・神聖・恍惚に代表されるこの「呪われた部分」の再考を鋭く強く促す。意識の「コペルニクス的転回」に賭けたバタイユ作品の新訳。巻末に先駆的重要論文「消費の概念」を収録。
呪われた部分 ──全般経済学試論・蕩尽
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呪われた部分 全般経済学試論・蕩尽
2018/06/20 11:49
経済的視点からの『呪われた部分』
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:病身の孤独な読者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
バタイユの代表作である『呪われた部分 有用性の限界』を経済的観点からまとめ直した書籍である。評者は以前、『呪われた部分 有用性の限界』を読了したが、本書では主張は同じでも文脈や印象が異なる。どちらが正しいというのは断定できないが、評者自身は以前読了した方が論理的に整合性が取れているため、そちらの方を支持する。しかし、本書のような視点からの考察も重要であることに変わりはない。