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神道入門 ──民俗伝承学から日本文化を読む
著者 新谷尚紀
日本の神道とは何なのか。それは、いくつもの信仰が、繰り返し「上書き保存されたもの」と捉えることができる。古代天皇の神祇祭祀に、仏教や儒教・陰陽道等が流入、さらに幽界霊界の存在への信仰が加わって、混沌としたまま全てを含みこむ形で展開。そのため、日本の神道は複雑に見えるのだ。本書では、その後、さらに天皇崇拝を中心とする近代の国家神道を経て、現代の宗教法人神社本庁が統括する神社神道へと至る変遷全体を追う。伝承分析の手法によって上書き保存の履歴を解明しつつ、変わることなく伝承されてきた神道の中核部分をあらわにする。
神道入門 ──民俗伝承学から日本文化を読む
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2023/04/18 07:17
あくまで入門。過剰な期待は禁物。
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投稿者:マーブル - この投稿者のレビュー一覧を見る
時折柳田や折口の名前が登場する程度で、期待するほどには民俗学的視点での考察は少ない。新書の分量ではそれは仕方がないのだろう。古代から現代までの神道の歴史を俎上に上げるだけでも、語らねばならない出来事は多々あり、削ぎ落し終わる前に巻末が訪れる。現代までの流れを読むことができただけでも参考になったと言える。かくのごとく神道は、その時々の日本のあり方と密接に絡み合いながら変遷を続けてきた。その道は一本ではなく、大河の支流のように枝分かれを繰り返す。仏教が入り込み、儒教が侵入し、また分かれ、支流は時に行き止まる。