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2件
物語は人生を救うのか
著者 千野帽子
世界を解釈し理解するためにストーリーがあった方が、人は幸福だったり、生きやすかったりします。実話とは? そして虚構とは? 偶然と必然って? 私たちの周りにあふれているストーリーとは何でしょう?
物語は人生を救うのか
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物語は人生を救うのか
2019/10/05 15:54
「救う」「救わない」の分かれ道は?
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の「人はなぜ物語を求めるのか」の続編。前作ではなんでも「お話」にして意味づけてしまう人間の性質が出てきた。本書ではさらにそれを展開していく。
人は意味づけをして「自分なりのストーリー」をつなげて安心する、というところがある。「自分の人生」を理解するのにも自分なりの意味づけをしたストーリーを作っている。ただ。この物語については「自己否定」をさけたいという力も働くのだろう、筋立てを間違うことも多くなるのではないだろうか。物語をまとめることで安心することもできるが間違うこともある。書いてみれば当たり前かもしれないがなかなか「そう考えるのは間違い」とは言えないということだろうか。
小説に救われるかどうか、は別として自分の人生の物語は作り方によってはどちらにもなり得るようだ。そのあたりの「物語の性質」を知っておいて頼りすぎない、ということぐらいしかなのかな、と思った。
前著と同じく哲学的用語を使った解説も入ってくるので「楽に読める」話ではなかった。著者のストーリーが読み手に取って意外な部分が多いということかもしれない。
本書自身は私にとってまだ「一つの物語」の形をとってくれていない。
物語は人生を救うのか
2019/07/01 21:58
主観と客観の区別があいまい
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まるこぽーろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
たくさん参考文献を提示されているので一見論説のように見えますが、根拠の例示がなかったり、人文科学として先行文献に触れてないのではないかと思わせる箇所があったり、いちいち「それって本当?」と首を傾げながら読んでいました。表象を解説する書籍でありながら、表象と社会の相関関係を無視するような記述が多いので、言葉遊びで結論を導き出しているような印象です。参考図書や散りばめられたキーワードはとても勉強になりました。