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十五年戦争小史
著者 江口圭一
戦争は、誰によっておこされ、どのように展開したか――。本書では、1931年の柳条湖事件の謀略に始まり、45年ポツダム宣言受諾と降伏文書調印によって終わった一連の戦争を「十五年戦争」と呼び、その曲折に満ちた過程と全体像を克明に描く。アジア覇権主義を掲げる日本軍部と対米英協調路線の宮中グループとのせめぎ合い、マスコミの報道によって国内で急速に高まる排外主義、アジア太平洋戦争へと向かう御前会議のありよう………。満州事変、華北分離、日中戦争、アジア太平洋戦争で構成される各部には年表、関係地図を付し、制度や組織の変遷、人事の系統図なども適宜配した。長年読み継がれてきた画期的通史。
十五年戦争小史
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十五年戦争小史
2022/04/26 12:29
「なぜ?」が分かる
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nkybgs - この投稿者のレビュー一覧を見る
満州事変から日中戦争を経て太平洋戦争の敗戦に至る通史が読みたくて購入。各種の出来事はもちろんのこと,対英米協調路線とモンロー主義という二つの大きな方向性を柱に,軍部,政党,そして天皇という当事者たちがいかにして国家意思形成に関与したかが説明され,「十五年戦争」の連続性と,歴史の「なぜ?」がよく分かる。著者の筆致はあくまで冷静だが,あの無謀な戦争に跳び込み,そして終結を決断できなかった権力者たちへの静かな怒りを感じる。右傾化・戦争肯定論が幅をきかせている現代にこそ広く読まれるべき作品。
十五年戦争小史
2024/03/09 15:27
十五年戦争小史
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
満州事変から太平洋戦争終結まで、十五年に及んだ戦争について、「十五年戦争」という名前のあり方も含めて取り上げている。もともと大学の教科書として作られたとのことで、とても分かりやすい。
このジャンルは特定の事件などを取り上げる本は多くても、全体の流れが分かるしっかりとした本は貴重なのではないか。それでも刊行から数十年、著者がなくなってから二十年もたっているとのことで、最新の研究とはあわないところもあるようなのだが、解説でそこにも触れられており、安心。