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朝鮮銀行 ──ある円通貨圏の興亡
著者 多田井喜生
日本の植民地政策のもとに設立された朝鮮銀行。その営業実態は軍部の大陸侵攻とも深くかかわっており、とりわけ日中戦争期以後の日本の軍費調達に重要な役割を担っていた。国力の乏しかった日本は、日銀券を増発するかわりに、中国連合準備銀行との預け合など「金融上のやり口」を駆使して、植民地通貨を発行した。これにより内地経済の崩壊を防ぎつつ戦争の継続が可能になったのである。朝鮮銀行関係の極秘資料にも精通していた著者が、歴史に隠れたその実態を緻密に描きだす。
朝鮮銀行 ──ある円通貨圏の興亡
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朝鮮銀行 ある円通貨圏の興亡
2020/09/12 10:55
帝国主義の特殊銀行
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ニッキー - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦前には、朝鮮軍とか朝鮮銀行というのがあった。朝鮮軍といっても日本軍であり朝鮮銀行と言っても日本の国策銀行である。植民地経済の中核としての朝鮮銀行の役割が、分かりやすく詳しく凝縮された一冊である。
朝鮮銀行 ある円通貨圏の興亡
2021/01/30 00:13
元々PHP新書で出ていた本です
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「朝鮮時代には物々交換をしていた」と駄法螺を吹きそうなPHP新書から出ていた本の文庫本。この本で書かれているように朝鮮時代の葉銭から始まって朝鮮戦争中に朝鮮銀行券が韓国銀行券に交換されるまでを書いている。
朝鮮銀行が植民地朝鮮での発券銀行にとどまらず、日中戦争の初期に華北で流通させていた事や後に国民党政権が台湾に撤退する一因にもなった大陸でのインフレが内地に波及しないように対日協力政権の銀行と共に朝鮮銀行が間に入っていた。
親本に掲載されている紙幣の画像が小さくなっているので、見づらい。