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検証 大阪維新の会 ――「財政ポピュリズム」の正体
著者 吉弘憲介
結党から十数年の間に地域政党の枠を越え、国政でも存在感を見せる維新の会。公務員制度や二重行政にメスを入れる「身を切る改革」や、授業料の完全無償化が幅広い支持を得る一方、大阪都構想や万博、IRなどの巨大プロジェクトは混迷を極める。“納税者の感覚”に訴え支持を広げる政治、そしてマジョリティにとって「コスパのいい」財政は、大阪をどう変えたか。それは誰に手厚く、誰に冷たい政治なのか。印象論を排し、独自調査と財政データから維新の「強さ」の裏側を読みとく。
検証 大阪維新の会 ――「財政ポピュリズム」の正体
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2024/12/12 09:31
わかりやすい
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
大阪維新の会について、わかりやすく検証されていて、よかったです。財政ポピュリズムの正体に迫っていて、納得できました。
2024/10/30 21:40
維新は改革政党だろうか、何を改革したいのだろうか
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
2024年10月の衆議院選挙で日本維新の会の退潮傾向が明らかとなった。大阪では、比例票は大きく減らしたが、19の小選挙区で維新の候補が全員当選している。日本維新の会だけでなく、大阪維新の会もしっかり見ておかないとわからないだろう。本書では、10年以上にわたって、大阪で既存政党と一線を画すような振る舞いで議席(首長も含む)を増やしてきた大阪維新の会の政策と大阪の住民の評価の関係を明らかにしようとする。特に財政分析に主眼を置いている。ここに維新の政策と根源的な弱点を明らかにしていく。すでに明らかになっているように、大阪府や大阪市等の公務員労働組合や外郭団体、地域の自治会等の住民組織といった中間組織を攻撃して、一般市民の利益と乖離していると主張し、既得権を取り上げて、自治体財政を改善させ、一般住民向けに還元すると主張してきた。維新の会の政策は新自由主義的なものと批判がある。それだけで説明しきれるのだろうか。本書の目次を見ると、
はじめに
第1章 大阪維新の会とはどんな政党かー「定説」の再検討
第2章 主要政策を読みとく
第3章 維新支持の構造ー大阪府民は「特殊な人びと」か
第4章 財政から読みとくー維新の会は「小さな政府」か
第5章 「大阪の成長」の実像ー「維新は大阪を豊かにした」は本当か
第6章 財政ポピュリズムを乗り越える
注 おわりに 参考文献 となっている。
以上のように展開される。橋下知事が出てきて、自民党の一部と一緒に大阪維新の会を結成した。維新が躍進し始めた時は、低所得等の不満を持った層が支持しているという裏付けのない説が広がっていた。研究が進むにつれ、高所得層や中間層の支持を取り付けているとの分析も出てきた。当初から特定の既得権を持つと思われる層を攻撃し、一般納税者に配るという主張だから、当然の帰結かもしれない。大阪だけの特殊な状況かと言えばそうでもない。維新が強い大阪で、都構想の住民投票を2回行い、維新が敗北している。来年開催の万博も風当たりが強い。明らかに政策で選り分ける大阪の住民の意思が働いていることを指摘している。サッチャーのように小さな政府を目指しているわけでもない。0才から大学院卒業まで所得制限のない教育無償化を掲げているので、普遍主義に立っているとも言える。そのどくさくさに、マイノリティに対するわずかな補助金も切り捨てている。おまけに、大規模イベントや大規模公共事業に資金をつぎ込んでいる。いくら国庫が入っていると言っても、自治体財政でまかなえる額ではない。財政や公共財の本質を押さえ、維新がこれから外れていることも指摘している。多くのテーマがあることに果敢に挑戦している。一読されたい。
2024/08/25 20:14
大阪維新の会の大阪での政治ぶりをまとめた1冊です。
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
今や、大阪の政治に欠かせない存在の政党「大阪維新の会」。当書は、この政党がこれまでに大阪を舞台にどのような政治を行って来たのかを、簡潔にまとめ上げた1冊です。
当書を読んで、大阪維新の会がどのような政党なのか、最近の大阪の政治はどういったものなのだったかを、スッキリ理解することができました。