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阿含経典
著者 増谷文雄
ブッダはなにを語り、どのように説いたのか。その教えを最も純粋なかたちで伝える最古層の重要な仏教経典の集成。阿含=アーガマとは伝承されてきた聖典を意味する。これらの経典群のなかには、あらゆる宗派を超えた仏教の原初のすがたがあり、その根本がある。本書は厖大な阿含経典群のなかから、よく古形を保ち、原初的な経と判定される諸経をとりあげ、パーリ語原典からの現代語訳と注解で構成。第1巻は、ブッダの悟りの内容を示す「存在の法則(縁起)に関する経典群」と、その法則に即して人間をかたちづくる要素を吟味した「人間の分析(五蘊)に関する経典群」を収録する。
阿含経典3
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阿含経典 1 存在の法則(縁起)に関する経典群 人間の分析(五蘊)に関する経典群
2021/02/28 06:28
全三巻で南伝大蔵経全体を網羅
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:orient - この投稿者のレビュー一覧を見る
仏典の全容を把握し咀嚼し尽くした著者が、釈尊そのものの法話を、理解すべき順序と分量に編纂した非常にシンプルで実用的なシリーズ。
順に読むことで、お釈迦様が真に伝えようとした核心が噛み砕いて説明され、日常生活で実践できるように腐心した会心の編纂書となっている。
お国の事情や歴史で、各章が膨大に増編されたり、ごっそり省かれたり。
経典編纂の歴史的事情や各経典の巻数と概要などが冒頭で纏められている。インドの事情、中国の事情、日本の事情が重なり合い、仏教の核心たるこの阿含経典が埋もれ、軽視されていたという。
近年注目されているパーリ聖典、南伝大蔵経。お釈迦様が直接語りパーリ語で記録されスリランカやミャンマーなどで主流の経典が西洋で研究され論文が活発化している。
その漢訳が阿含経典に相当し、構成に違いはあるものの内容が共通であることを氏は突き止め、双方の原典を当たった上で重要項目を見極め、過不足なく簡潔に纏める偉業を成し遂げられた。
文庫本で3冊というコンパクトに纏められたその内容は、
第一巻、存在の法則(縁起)と人間の分析(五蘊)に関する経典群
第二巻、人間の感覚器官(六処)、道の実践方法(道)に関する経典群
第三巻、詩が含まれる形の、口伝や原初のものに近しい経典群
各節はより正確とされるパーリ原典から平易な現代語に訳され、南伝と漢訳の該当章節を明記、重要単語は節ごとにパーリ語と英語を付記して簡単な解説を加える、といった徹底ぶり。至れり尽くせり。
疑問点があれば自分で調べられる、該当章節を国内外の専門家や僧侶に質問したり議論する素材にもなる。そこまでせずともこの本だけで必要十分な理解が得られるよう組み立てられている。
それだけの情報を、膨大な資料の中からよくぞ纏めた説明した世に出したと、頭が下がる。
阿含経典 1 存在の法則(縁起)に関する経典群 人間の分析(五蘊)に関する経典群
2020/04/13 12:13
仏陀の教えを最も純粋な形で現代の私たちに伝えてくれる仏教経典の集成です。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、仏陀の教えを最も純粋な形で現代の人々に伝えてくれる最古の重要な仏教経典の集成の一冊です。ちくま学芸文庫からは1巻から3巻までのシリーズで刊行されており、同書はその第1巻目にあたります。同シリーズには、仏教において現存するあらゆる宗派を超えた仏教原初の姿が描かれており、その根本・基本が理解できます。同シリーズは厖大な阿含経典群のなかから、よく古形を保ち、原初的な経と判定される諸経をとりあげ、パーリ語原典からの現代語訳と注解で構成されおり、同書はその最初の巻ということで、ブッダの悟りの内容を示す「存在の法則に関する経典群」と、その法則に即して人間をかたちづくる要素を吟味した「人間の分析に関する経典群」が収録されています。