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柄谷行人講演集成
著者 柄谷行人
われわれは、もはや脱構築ではなく、建設をこそ語らねばならない──。あらゆるものが瓦解したこの20年間に、思想家・柄谷行人は、はたして何を考え、語ってきたか。本書は、その崩壊が誰の眼にも明らかとなった1995年以降の講演を著者みずから精選した、待望の講演集である。近代文学の使命とその盛衰を反照的に論じた「近代文学の終り」、日本にいつしか根づいた特異な民主主義観を、近代における個人化という根源から再考する「日本人はなぜデモをしないのか」など、計11本の講演を収録。その言葉には、いま最も必要とされる強靭な思想が確かに宿っている。学芸文庫オリジナル。
柄谷行人講演集成1995‐2015 思想的地震
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言葉と悲劇 柄谷行人講演集成1985−1988
2019/11/06 01:40
15の講演
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:1ベクトル - この投稿者のレビュー一覧を見る
柄谷行人氏の講演集。1984年から1988年に行われた15の講演(※)が収録されている。
(※)・・・講談社学術文庫版では収録されている講演数は「15」ですが、ちくま学芸文庫版では「14」です(「1.バフチンとウィトゲンシュタイン」が取り除かれ、配列も若干異なります)。以下は講談社学術文庫版の目次です。
1.バフチンとウィトゲンシュタイン
2.漱石の多様性──『こころ』をめぐって
3.言葉と悲劇
4.ドストエフスキーの幾何学
5.江戸の注釈学と現在
6.『理』の批判──日本思想におけるプレモダンとポストモダン
7.日本的「自然」について
8.世界宗教について
9.スピノザの「無限」
10.政治、あるいは批評としての広告
11.単独性と個別性について
12.ファシズムの問題──ド・マン/ハイデガー/西田幾多郎
13.ポストモダンにおける「主体」の問題
14.固有名をめぐって
15.安吾その可能性の中心
いずれも今読んでも新しい。奇跡的な講演集で、お薦めです。
言葉と悲劇 柄谷行人講演集成1985−1988
2020/04/10 09:29
多領域を包含した視点から繰り出される非常に興味深い柄谷行人氏の講演を収録した書です!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、我が国の戦後を代表する哲学者であり、文学者であり、でありさらに文芸批評家でもある柄谷行人氏が1985年から88年に行った代表的な講演内容を収録した書です。柄谷氏は、哲学、文学、宗教、言語学、経済学、数学など多様な領域を行き来しつつ、議論を多方面から展開してきた方で、そこで追求されているのは、言語コミュニケーションにおける人間の悲劇的条件であり、他者との交流を可能にする普遍性が如何に生み出されうるかという問いなのです。同書でも、ソシュール、ウィトゲンシュタイン、西田幾多郎、スピノザの言説や思想が次々に引用され、視野の広い、興味深い議論が展開されています。
思想的地震 柄谷行人講演集成1995−2015
2019/11/12 04:09
新しく懐かしく
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:1ベクトル - この投稿者のレビュー一覧を見る
1995年から2015年における、柄谷行人氏の講演集。この時期に出版された氏の論考(著書)を思い浮かべながら読むと、当時の雰囲気が立ち上がります。
目次 ※()内は分量=ページ枚数
1 地震とカント(9)
2 他者としての物(13)
3 近代文学の終り(43)
4 日本精神分析再考(16)
5 都市プラニングとユートピア主義を再考する(15)
6 日本人はなぜデモをしないのか(34)
7 秋幸または幸徳秋水(45)
8 帝国の周辺と亜周辺(28)
9 「哲学の起源」とひまわり革命(20)
10 山人と山姥(18)
11 移動と批評(49)
「5 都市プラニングとユートピア主義を再考する(15)」が良かったです。