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斎宮―伊勢斎王たちの生きた古代史
著者 榎村寛之 著
天皇の代替わりごとに占いで選ばれ、伊勢神宮に仕える未婚の皇女――それが斎王であり、その住まいが斎宮である。飛鳥時代から鎌倉時代まで六六〇年にわたって続いた斎宮を、あらゆる角度から紹介し、斎王一人一人の素顔に迫る。『伊勢物語』のモデルとなった斎王、皇后となり怨霊となった斎王、悲恋に泣いた斎王……彼女たちは都を離れた伊勢で何を祈り、何を思って人生を送ったのか。古代史の新たな姿が浮かびあがる。
斎宮―伊勢斎王たちの生きた古代史
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斎宮 伊勢斎王たちの生きた古代史
2018/07/23 22:33
伊勢の霧の中から浮かび上がる斎王たち
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:pinpoko - この投稿者のレビュー一覧を見る
一般向けに書かれたこういう本があったらなぁと思っていたので、これを見つけて即購入決定となった。
2章、3章で語られる各斎王たちのエピソードは知っていたものもあるけれど、興味深かったのはやはり「斎宮女御 徽子女王」だった。このひとのことは全く知らなかったけど読めば読むほど面白く、波乱万丈の生涯だったことがわかる。10世紀前半の皇族女性にしては、あまりにも強い自我をもったひとだと思う。平安貴族女性といえば、絵巻物から抜け出たような没個性的な女性ばかりを連想するのはもうそろそろやめにしてもいい頃合いだろう。時の天皇の制止を振り切って娘とともに伊勢に旅立つ徽子女王。源氏物語の六条御息所のモデルとも作者は擬しているようだが、その近代性はこの二人の女性に共通したものだと思う。
あとがきで書かれている「斎宮に仕える女官からみた斎王とその社会を描く小説」って、ぜひ読みたかった!
斎宮 伊勢斎王たちの生きた古代史
2017/11/15 11:24
日本の歴史は素晴らしい
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のりちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史書も本書のように色々な角度から書かれていると楽しく読める。
斎宮、斎王について書かれた一番わかりやすい文献ではないかと思う。
それにしても数々の斎王がいる中で記録がまったくない斎王がいたなんて本当に歴史権力の構造の中でかわいそうだと思う。