電子書籍
入門 公共政策学 社会問題を解決する「新しい知」
著者 秋吉貴雄 著
社会問題はますます複雑になり、既存の学問では十分な解決策を提示できない――そうした意識から生まれた「公共政策学」。政治学や行政学、経済学など多分野の知識を総合化した新しい学問だ。専門家のみならず、市民の「知」も取り入れるなど、問題解決に役立つ学問へと進化している。本書は、少子高齢化、シャッター商店街、生活保護、学力低下など、日本の課題を例に取り、公共政策学のエッセンスを伝える入門書である。
入門 公共政策学 社会問題を解決する「新しい知」
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2018/11/11 07:33
丁寧でよく理解できます!
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
公共政策学というものが、一体どんなもので、どういうものなのかが、丁寧に判りやすく、且つ体系的に書かれており、よく理解できます。
本書の構成がかなり練られた骨組みになっていて、まるでテレビで解説をしてもらっている感覚で読み進んでしまいます。
テーマ自体はかなり多岐に亘りますが、現代社会において、本策を学ぶという事は大変重要であると思います。
こういう本は一読しておくべきです。
2017/10/04 10:02
管理工学、政策過程論の専門家による公共政策学入門
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
経済政策や教育政策に比べて「公共政策」は漠然としていて、ピンとこない人も多いと思います。公共政策とは、「政策問題の解決に向けた方針・具体策」のこと。そして公共政策学とは、「政策問題や公共政策を対象とした学問」であり、公共政策の改善を志向しています。「政策に対して投入する知識」と、「政策のプロセスを解明する知識」という、2つの知識を取り扱っていて、前者は主に経済学的な政策分析にあたり、後者は政策の決定や行政の実施の仕組みなど政治学や行政学に近い。総合社会科学、といってもよい、広い分野を扱う学問です。本書では、あまり細かい手法には立ち入らず、問題の発見から、政策の設計、決定、実施、評価という一連の流れを具体的な事例とともに紹介した点が特徴です。本書を読むと、公共政策学がどのような内容を研究対象としているかを把握していただけると思います。また、社会にある問題がどのように問題として認識され、政策が作られていくのか、理解する助けになるかと思います。公共政策学というと、どうしてもいかに解決策をつくるか、という点に注目が集まりがちです。しかし、そもそも問題がどのように発見されるか、そしてどのようなフレームで捉えられ、どう定義されるのか、といった始まりの部分が重要です。ここは経済学などでは扱いづらいところですが、この本では社会学の知見なども踏まえて、1章を割いて論じています。こうした話は、たかがレトリックではないかと言われがちですが、レトリックが重要なのです。たとえば地域公共交通のあり方についても、特定の事業者の経営問題としてとらえられると社会の支持は広がりませんが、「地域の足をどう維持するか」ととらえれば、議論の流れが変わってくるわけです。