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47件
任侠シリーズ
著者 今野敏 著
★※ご注意ください※ 『とせい』 を改題した作品です。★
日村誠司が代貸を務める阿岐本組は、今時珍しく任侠道をわきまえたヤクザ。その阿岐本組長が、兄弟分の組から倒産寸前の出版社経営を引き受けることになった。舞い上がる組長に半ば呆れながら問題の梅之木書房に出向く日村。そこにはひと癖もふた癖もある編集者たちが。マル暴の刑事も絡んで、トラブルに次ぐトラブル。頭を抱える日村と梅之木書房の運命は? 「任侠」シリーズ第一弾(『とせい』を改題)。
任侠病院
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任俠学園
2015/10/17 10:47
割れ窓理論の実践
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
今野氏の任侠シリーズ第2弾。前作に続き快作でした。個人的には、あの「半沢直樹シリーズ」にも劣らぬ爽快な読後感でした。
今回は、生徒も教師も全くやる気のない、荒れ放題の私立高校を再建します。何かウルトラCでも使う訳ではなく、理事長(組長)からの指示(割られた窓ガラスの後始末、荒れた花壇の整備、落書き消し、クラブ活動の復活等)を理事(代貸)の日村が地道に実践し、その小さな努力の積み重ねが、腐りかけていた教師や生徒に対して徐々に善い影響を与えていくという、とてもヤクザとは思えない涙ぐましい再生物語です。再生した学校の姿を、生徒たちが素直に喜び、日村たちに感謝する姿にも感動がありました。特に、阿岐本組長と日村が学校を去るシーンでは、目頭が熱くなってしまい、電車の中で困ってしまいました。
組長の凄さは、問題解決に至る道筋を読む直観力と的確な指示、独自の情報網、そして顔の広さにあります。そんなリーダーのもと、日村をはじめとした部下たちが、自分の持ち場の仕事を全うし、問題を解決していきます。最近の偽装や粉飾にまみれた有名大企業よりも、阿岐本組の方が優れています。今野氏は、ヤクザが誠実に地味に努力する姿を描くことが、個人主義・成果主義が蔓延してしまった現在の世相を皮肉っているのだと思いました。
また本作を読めば、今の学校が抱える問題点を、あらかた把握できます。中でも「割れ窓理論」は初耳で勉強になりました。私が学生の頃、金八先生の「腐った蜜柑」の時代ですが、相応に学校は荒れていました。ただ、当時は窓ガラスを割るのは特定の不良生徒でしたが、昨今では塾に行くような普通の不特定多数の生徒が割るのですね。問題は、より深刻化していることが理解できました。
さて、第3弾は病院の再建です。読む前から楽しみです。
任俠書房 改版
2016/02/14 05:43
毎度のことながら・・・
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エメルダ - この投稿者のレビュー一覧を見る
今野先生の作品の中で、変わった主人公なんですが、その設定と物語の展開が面白くて、あっという間にシリーズ3冊とも読んでしまいました。そして、また楽しませてもらったよ、ありがとうとつぶやいてる私がいました。作者と同い年と言うのも、引かれる理由なんだろうか、本当に懐深すぎる~!!!と言いながら、楽しませてもらっています。ありがとうございました。
任俠書房 改版
2020/12/05 14:13
ちょっと違う。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ありすばぁ - この投稿者のレビュー一覧を見る
警察モノのシリーズ以外、はじめてです。新鮮でした。