電子書籍
バイアウト 企業買収
著者 幸田真音 (著)
金儲けを第一主義に、敵対的TOBなどで世間の注目を集める相馬ファンド。相馬との念願の取引にこぎつけた外資系証券会社の広田美潮だったが、買付を依頼された銘柄は、皮肉にも幼い頃自分を捨てた父の音楽会社だった。また相馬だけでなく他三社がTOBを仕掛けてくる異常事態発生。生き残りをかけた熾烈な戦いが始まった。金儲けは悪か? 企業の価値とは何か? 日本経済の希望を書き続ける著者渾身の長編小説。
バイアウト 企業買収
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本バイアウト 企業買収
2020/11/04 14:05
経済小説ですがスパイ小説さながらのドキドキ感。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
企業買収を素材とした話。
出版当時、野球チームやTV局の買収騒ぎ、その後その当事者への粉飾決済による地検介入、そして「時のヒト」のあっけない逮捕…といった事件が、たぶん、モデルになっている。
この作家の特徴は、その小説が書かれた年の事件や経済問題を小説のテーマに採用し、まだ、時代は明確な解答を持たずもやもやした気分でいるときに、はっきりと「作家の考え」を打ち出す、潔さにもある。
そのころの時代の問いは、「会社は誰のものか?」だった記憶、もちろん、作者の答えはきちんと物語に描かれていた。
加えて、世の中を変えるヒントは、「金融」の知識=「お金」という道具の扱い方の中にもある…ということも。
そして、時にそれは、信じられないほど強力な働きをする。
この物語では、その力が、007の秘密兵器のように、誰にも知られず密かに仕掛けられ、ダイナミックに大変革を成し遂げる。
「スパイ小説」さながらにドキドキと、話の展開を面白がり、きれいに決まったエンディングに、任務完了!とばかりにほっとする読後感。