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4件
闇を裂く道
著者 吉村 昭
丹那トンネルは大正7(1918)年に着工されたが、完成までになんと16年もの歳月を要した。けわしい断層地帯を横切るために、土塊の崩落、凄まじい湧水などこに阻まれ多くの人命を失い、環境を著しく損うという当初の予定をはるかに上まわる難工事となった。人間と土や水との熱く長い闘いを描いた力作長篇小説。
闇を裂く道
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2018/05/24 19:29
公共事業の表裏
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うみべ - この投稿者のレビュー一覧を見る
通り抜ければ10分足らずのトンネル建設に十数年かかった実話。作業中の労働災害や周辺住民への影響、はたまた文書をめぐる担当者とマスコミとの攻防など、こうしたことは今も全く改善されない負の遺伝なのかな、と思った。それにしても、もし工事を中断して現在の御殿場線ルートのままか、もしくは丹那盆地を迂回したルートをとっていたら今頃どうなっていたのか、興味深い。
2025/03/31 16:05
良いですね
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
吉村さんのドキュメンタリーノベルで丹奈トンネルを開通させた人々の記録をうまく小説にして、当時の大変な状況を再現しています。東海道はこのトンネルができるまでは御殿場線経由でかなり時間がかかったということですね。
闇を裂く道 新装版
2019/08/16 14:45
日本の基盤をつくる過程で得たもの、失ったもの
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ニック - この投稿者のレビュー一覧を見る
熱海・旦那トンネルの開通まで、16年にも及ぶ工事とそれにまつわる数々のドラマを、大正から昭和初期の世相も交えて描く。現代日本の基盤をつくる過程で得たものと失ったものが、一つの題材を通じて浮かび上がっている。小説の題材としては「高熱隧道」と対をなす作品ともいえる。