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サマー・キャンプ
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サマー・キャンプ
2004/02/21 21:24
曖昧な境界線
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にゃおん - この投稿者のレビュー一覧を見る
私達は常に物事を定義付ることで理解しようとしている。しかし、その定義が誤りであったなら。
例え定義が間違っていたとしても、生きていく事はできる。それが、欺瞞と後悔によって支えられた脆いものだとしても。
人の定義は、愛の定義は、性の定義は。有ると思っているだけで無いのかもしれない。
サマー・キャンプ
2020/08/10 11:42
端麗でえげつない
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
長野ワールドなんですけど、ちょっと異質な感じもある。
多分、舞台設定が現代(あるいは過去)でないためかもしれない。
でも湾岸地帯の描かれ方は、作者らしい美しい表現です。
読者としては色々な情報がパズルのようにちりばめられていて
それを拾い集めているうちに迷宮に迷う感じ
その中で主人公のいらだちや焦りも拾い上げてしまう。
ただし、鏡島家の生殖システムのえげつなさはちょっと辛い。
それを硬質な端麗な文章でさらりと綴っているけれど、実はかなりえげつないです。
アンモラルとかいうとかいうよりも、えげつないなぁって。
初読の時は長野さんの文章でなければ、読みすすめないほどだと思ってました。
、現実のインターセクシャルのことを知った後に読むと少しだけ感じ方も違います。
ただし、鏡島家の世間を欺いて行う生殖システムのえげつなさは変わらないと思いますけどね。
途中でなんとなく予感はあるのですが、
(主人公以外の人々の言葉で)
ラストで本当のサマー・キャンプの意味がわかってちょっとほっとする。
唯一消化不良を起こす感じに読後なったのは
未成年の主人公がその家で暮らしていた経緯なんですけどね。
長野さんの描く主人公の少年は
どこか根なし草的な少年というだけない不安定さがあるんですよね。
(再読レビュー)