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54件
葉桜の季節に君を想うということ
著者 歌野晶午
ミステリー文学賞&年末ランキング4冠! 本格ミステリーの新時代を告げた記念碑的傑作!
かつては探偵事務所で働き、いまは「何でもやってやろう屋」を自称して気ままな生活を送る「俺」成瀬将虎。
ある日、高校の後輩のキヨシの頼みで、彼が密かに惚れている久高愛子の祖父の不審死と、高額で布団や健康食品を売りつける蓬莱倶楽部の調査を引き受ける。
そして同日、駅のホームで飛び込み自殺しようとした女・麻宮さくらを助けたことで、運命の歯車が回り始める――。
蓬莱倶楽部の悪徳商法を調査する将虎の軽妙なハードボイルド探偵の活躍を楽しむあなたに、ラストで襲い掛かる大どんでん返し!?
日本推理作家協会賞、本格ミステリ大賞ダブル受賞&「このミステリーがすごい!」「本格ミステリベスト10」で第1位!
中居正広さんほか、たくさんの著名人も激賞!
二度読み必至の究極の徹夜本です。
葉桜の季節に君を想うということ
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葉桜の季節に君を想うということ
2007/07/03 23:41
「葉桜」のいわんとするところに気づいたとき、書の中に自分の姿を見た気がする
20人中、19人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
元私立探偵の成瀬将虎は、フィットネスクラブ仲間の愛子から調査を依頼される。「うちのおじいさんの交通事故死は、高額商品を売りつける悪徳商業集団の仕業かもしれない」と話す愛子。その謎を追って奔走する成瀬…。
開巻一番、「射精したあとは動きたくない」という鋭く突き刺さすような文章が待っています。主人公・成瀬は悪びれることなくセックスにあけくれる日々を描きながら、人生を大いに楽しみつくすという意気込みをもって毎日を生きている、まさにバイタリティ溢れる男です。
そんな彼が一人称で語るお話の筆致はやんちゃで猪突猛進的。その勢いにぐいぐい牽引されるようにページを繰ってしまいました。読み進める間一度として飽きることなく時間を過ごすことのできた書です。
そして物語の最後に待ち受けていた、あっと驚く真相を前に、私は言葉を失いました。
良く似た展開に乾くるみの『イニシエーション・ラブ』(原書房)がありますが、あれに比すれば本書「葉桜の季節に…」のほうが私自身の思い込みや偏見といったものをものの見事に突きつけられた気がします。頭をかきながら自らの不明を恥じる思いをしました。
そしてまたタイトルにある「葉桜」の意味するところ---読んでいる最中には特段気に留めることもなく、せいぜい気取った書名だなという程度にしか思いが至らなかったのです---が最後に明かされて、書を閉じた後に自身の来し方と行く末に思いを馳せずにはいられません。
私はどんな「葉桜」の季節を迎えるのだろうか。
書の中に自身の今の姿や今後の人生における指針を見出したとき、読書の楽しみはこの上もなく高まるものです。本書はまさにそんな喜びをいっとき与えてくれた愉快な書といえる一冊です。
葉桜の季節に君を想うということ
2015/01/25 10:20
有名な1冊
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:papanpa - この投稿者のレビュー一覧を見る
「あっ!!」と言わされるラスト,「?」な部分は補説をよんで納得しました。
納得したものの,愛子ちゃんと将虎の会話は,少し強引な部分もあるかな?
有名な作品ですので,ネタバレが多くころがってます。
できれば下調べせずに読まれることをおススメします!!
面白かったです。
葉桜の季節に君を想うということ
2019/12/29 21:18
読了
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ムギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
歌野作品初挑戦。詐欺グループの摘発や、人捜しなどこれらがつながったときに全てが明らかになる。とても読みやすく、登場人物も魅力的。読んでいる最中にふと引っかかった部分や、疑問に思っていたことが、そういうことか!と分かった瞬間が最高に気持ちよかった。