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4件
うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間
著者 先崎学
「ふざけんな、ふざけんな、みんないい思いをしやがって」
藤井フィーバーに沸く将棋界で、突然、羽生世代の有名棋士の休場が発表されました。
様々な憶測が流れましたが、その人、先崎九段は「うつ病」と闘っていたのです。
孤独の苦しみ、将棋が指せなくなるという恐怖、そして復帰への焦り……。
体験した者でなければなかなか理解されにくいこの病について、エッセイの名手でもある先崎さんが、発症から回復までを細やかに、淡々と綴ります。
心揺さぶられること、必至!
解説:佐藤優
※この電子書籍は2018年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間
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2021/06/27 12:27
周囲の支えが温かい
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:第一楽章 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1年にわたりうつ病と戦い、克服したプロ棋士の当事者手記です。トップ棋士が7手詰めの詰将棋すら解けなくなる、その不安や恐怖に、こちらまでぞっとします。身に覚えがある者として、なんだか当時の苦しみを思い出し辛く感じることもありましたが、先崎九段の誠実に正直な筆のおかげで最後まで読めました。この本の特徴は、完全に治ってからではなく回復期に少しずつ書かれたことです。ですので、同じエピソードでも食い違いを感じたりすることがありますが、それがとてもリアルです。
また、精神科医を勤める先崎九段の兄が、非常に大きな役割をしています。先崎自身にとって力強い伴走者であったことはいうまでもありませんが、兄が先崎に語った医師としての言葉、苦悩はまた、読者や社会にとっての鋭い問題提起でもありました。巻末の佐藤優の解説もよいです。
2020/08/26 22:39
タイトルは知っていたけれど
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
まさか、『3月のライオン』の監修の方が著者だとは知りませんでした。驚きです。そして、病気の部分には納得だったのですが、うつ病以外の部分にいろいろ驚きました。読み応えありすぎです。
2020/08/12 23:45
うつ病の辛さの一端を知りました
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:有理 - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつて作者が週刊誌に連載していたエッセイを愛読していました。軽妙な文体は今も変わらず。でも、語られる内容の重いこと。正直に言って、この本を読まなければ、うつ病がここまで苦しい病気だと知ることはなかったでしょう。我々が日常で気軽に口にする「鬱っぽい」とはかけ離れた実態が、作者の一人称で描かれています。また、節目節目で登場する作者のお兄さまの言葉が、医者目線での説明にもなっています。