万事快調〈オール・グリーンズ〉
満場一致で第28回松本清張賞を受賞!
時代の閉塞感も、小説のセオリーも、すべて蹴散らす、弱冠21歳の現役大学生による破格のデビュー作。
このクソ田舎とおさらばするには金! とにかく金がいる! だったら大麻、育てちゃえ(学校の屋上で)。
茨城のどん詰まり。クソ田舎の底辺工業高校には噂がある――。表向きは園芸同好会だが、その実態は犯罪クラブ。メンバーは3人の女子高生。彼女たちが育てるのは、植物は植物でも大麻(マリファナ)だった!
ユーモラスでオフ・ビートな文体が癖になる、中毒性120%のキケンな新時代小説。
おもしろかった。「万事休す」の状況なのに、この愉快さ。作者には天性の資質が感じられた。この賞が人生を狂わせないことを切に願う。――中島京子
頭ひとつ抜きん出ていた。登場人物たちの過剰な自意識に何度も笑わせてもらった。皮肉とユーモアのセンスがずば抜けていて、これは努力では身につかないものだ。――東山彰良
正直、粗の多い作品だとは思う。巧いとは一度も感じなかった。が、際立って面白かったのは事実。――森絵都
読みながら、そのセンスの良さに何度も唸り、選考委員としてこの作家のデビューに立ち会いたいと思った。――辻村深月
先を見通しているのか、後ろが見えていないのか。
でも、少なくとも作者には今がはっきり見えている。何者なのか見極めたい。――京極夏彦
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万事快調
2022/06/01 12:46
デビュー作
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たかし - この投稿者のレビュー一覧を見る
現役大学生のデビュー作。
センスに溢れていて、パワフルでシニカル。ハマる人にはとことんハマると感じた。
特に作者の同世代には読んでほしい作品。
他の作品も絶対読みます。
万事快調
2021/08/05 21:09
キマりたければコレを読め
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
舎の底辺工業高校の屋上で、カーストからあぶれた3人の女子高生が園芸同好会の振りして大麻栽培してガッツリビジネスしちゃう話。もうあらすじだけで、むちゃくちゃなんだけど、意外と文学ネタとラップと家族描写の芸が丁寧で、序盤は意表を突かれる。
大麻ビジネスが本格化してからは怒涛の展開で、読み手をハイにさせておいて、最後の数ページで狂乱に落とし込んだ癖に、終わり方が爽やかなのどう考えてもおかしいだろクスリやってんのか!と突っ込みたくなる素晴らしい雑さと心地良いカオスっぷり。本のデザインも紙質もバチバチにキマってる。
万事快調
2021/09/16 16:30
危なげな若さ
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:漂白 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハマる人にはハマる。ハマらない人にはハマらない。という定義がこれでもかとはっきり分かれるであろう作品。波木銅さんという新人作家さんはかなりの読書家で映画好きなんだろうなとわかる一冊です。トリッキーな装丁からもうかがえる、パワーが漲る世界観は唯一無二だと思います。