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3件
麻雀放浪記
著者 阿佐田哲也
純文学作家「色川武大」=阿佐田哲也が戦後の焼け野原を舞台に描く、本邦ギャンブル小説の最高峰!
終戦直後、焼け野原の上野のドヤ街で「ドサ健」と出会い、一気に博打にのめりこんだ主人公の「坊や哲」。
チンチロリンや麻雀の技、いかさまの腕を磨いた哲が「出目徳」や「女衒の達」「上州虎」ら仕事師と渡り合い、生き残りをかけて激闘する阿佐田哲也のピカレスクロマンの最高傑作!
解説・先崎学
合本 麻雀放浪記【文春e-Books】
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麻雀放浪記 1 青春篇
2019/12/31 18:32
命がけの打ち合い
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦後の混乱の中で、牌に全てをかける雀士たちの生きざまが刹那的です。永遠のライバル・ドサ健や、壮絶な最期を迎える出目徳には胸を打たれました。
麻雀放浪記 1 青春篇
2019/05/18 07:32
こういう小説が時代を越えて読み継がれる
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
小説のジャンルのひとつに「ピカレスクロマン」というものがある。
日本語で「悪漢小説」とか「悪者小説」と訳されることが多い。
定義を調べると、「虚構の自伝形式をとり、下層階級出身の主人公が次々と事件に出会い、異なる階級の人たちに接するという形式」とある。
読者にとっては、自身の未知の世界を垣間見るとともに、気分的にスキッとするところが人気のある点といえる。
阿佐田哲也(彼には色川武大という名前もあって、この筆名で直木賞を受賞)のこの小説もまた「ピカレスクロマン」になるのだろうが、戦争が終わって飢えで死者まで出る時代が舞台であれば、誰もが生きるために精一杯で、ゆえに作品に生きる力がこもるのもわかる。
そして、これは長い作品の導入部といってもよく、「青春篇」というタイトルが躍動的なものを感じさせる。
それはかつて深作欣二監督が描いた「仁義なき戦い」に通じるものがある。
主人公は「坊や哲」というまだ学生だった若者。戦争に負け、両親も世間も呆然自失となったなか、生きるために博打の世界に足を踏み入れる「坊や哲」。
博打は麻雀。
そこで出会うさまざまな男と女。
「ドサ健」「出目徳」「上州虎」と呼ばれる仕事師たちは、博打打ちにも関わらず、強烈に生きることを主張している。
1969年(昭和45年)に刊行されていまだに読者を魅了するのだから、名作にちがいない。
麻雀放浪記 4 番外篇
2017/08/28 17:18
相も変らぬ
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
ギャンブルの世界に生きる人たちのぶつかり合いが印象深かったです。坊や哲が老いていく、一抹のさみしさもあります。