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悼む人
著者 天童荒太
善と悪、愛と憎しみ、生と死が交錯する直木賞受賞作! 著者が切望した、「いま世界に一番いて欲しい人」とは?
不慮の死を遂げた人々を“悼む”ため、全国を放浪する若者・坂築静人。静人の行動に戸惑いと疑念を覚え、その身辺を調べ始める雑誌記者・蒔野。末期がんに冒され、家族とともに最後の時間を過ごしながら、静人を案じる母・巡子。そして、自らが手にかけた夫の亡霊に取りつかれた女・奈義倖世。
静人の姿が3つの視線から描かれ、その3つのドラマが、やがて1つの大きな物語の奔流となる。「この方は生前、誰を愛し、誰に愛され、どんなことで人から感謝されてでしょう?」静人の問いかけは、彼を巡る人々の心を、少しずつ動かしていく。
家族との確執、死別の悲しみ、自らを縛りつける呪縛との対決。そして避けられぬ死の傍らで、新たな命が――。静かな感動が心に満ちる感動の巨編!
悼む人 上
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紙の本悼む人 下
2020/06/29 22:22
悼む人とは・・・
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品は2009年に第140回直木賞を受賞している。悼む人というタイトルは文字どおり”死人を悼む人”ということなのだが、本人よりも周りの人物がそのことについて語ってくれている。その悼むという行為について、まず、悼む人・静人に付きまとう週刊誌の記者・蒔野が「この世界にあふれる、死者を忘れ去っていくことへの罪悪感」、そして妻に殺された亡霊の朔也は「死んだ者の生きていた時間に、新たな価値を与える。その人物が、この世に存在したことを、ささやかに讃える」と解説する。この二人は、ともに初めは静人を偽善者と馬鹿にしていたのだが、最後は理解者となる。静人の妹、美汐に母が「生まれ変わるということがあるのなら、もう一度、この子のお母さんにしてくださいと神様にお願いした」と語る場面がある。母の頭の中には兄・静人しかないと思い込んでいた美汐にはうれしい言葉だっただろう
紙の本悼む人 上
2020/06/29 22:20
映画も観たくなった
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画化もされているのが観ていない。でも、高良健吾、石田ゆり子、大竹しのぶ、椎名桔平って、私が読みながら想像していた配役どおりだった。キャスティングに携わっている人って、小説を真面目に読み込んでいるんだね。当たり前か
紙の本悼む人 下
2016/08/16 21:41
時に誰もが「悼む人」
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投稿者:suka - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻はでは静人の世界観に感情移入できない部分も多かったが、下巻では清潔を飲むような清々しさを感じた。出会えたことに感謝する作品だった。
人々になかなか理解されない静人の悼みたが、時に人は誰もが悼みを行っているのではないかと思う。戦争の慰霊碑に頭を下げる。災害の被害者に黙祷を捧げる。不慮の死を遂げた死者を心に刻むことは、誰にもその瞬間がきっとあるはず。
終戦記念日の翌日に読了し、ふとそう思った。
紙の本悼む人 上
2016/08/15 02:36
愛が最大のテーマ
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投稿者:suka - この投稿者のレビュー一覧を見る
天童荒太さんのインタビューが新聞に掲載されており、現代社会の問題を深く考えている方だと感銘を受けたことが、本書を手に取るきっかけになりました。
静人の旅の理由が、まだ腑に落ちない部分があったので、下巻でどのようにエンディングになるのか気になります。
紙の本悼む人 下
2016/02/01 07:43
理解
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投稿者:ピーチパイ。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
正しく生きる、ってことについて深く考えさせられた本。がんばらずとも正しく愛せる、ってギフトよなと何度も思いながら読んだ。愛しているなら俺を殺してくれと、愛する人に言われたら、どうすればよいのか。倖世の猜疑心や罪悪感が緩やかにとけていくのと同じスピードで、私の「悼むこと」への理解も深まっていった気がする。
紙の本悼む人 上
2016/01/26 23:09
祈りをささげる。
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投稿者:ピーチパイ。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分が今まで歩んできた人生を俯瞰で見るような気持ちで読んだ。私をここまで運んできた抗えない力が体の奥底でぞわぞわと蠢くのを感じながら読んだ。毎日のニュースに無関心になって、誰かの身に降りかかる不幸から目を背けることで心の平和を保つようになって久しい。正しく誰かを愛せるかしらと、今の自分は正しいかしらと、考え始めたらきりがなくなって、足元掬われて浮遊感。安全な道を注意深く歩いたことで、結果的に誰かが地雷を踏んでしまうようなこの世界で、誰も傷つけずには生きれない。静人が悼む度、自分の真価を問われた気がした。
紙の本静人日記 悼む人 2
2012/12/19 00:41
静人日記 悼む人2
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投稿者:toshi - この投稿者のレビュー一覧を見る
厚さが丁度いいと持ってきたものの、少し後悔。この人の本は小説と分っていても、大体が重い感じ。この本も人目のあるところで読むものではなかった。歳のせいか、涙腺が。
紙の本悼む人 下
2019/01/02 09:31
ゴールが見えない
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投稿者:chieeee - この投稿者のレビュー一覧を見る
やたらと静人に関心を示すルポライター、静人を理解しようとしない癖に一緒に悼みに回る殺人者。
そして静人の母や家族達。
物語が一気に加速していき読書スピードもUP。
読了後、皆が1度は考えてしまうんじゃないでしょうか?
自分は誰に愛され、そして感謝されているのか…。
私は考えてしまいました。
色々ジーンと来る場面はありましたが、巡子が弱っていくのは読んでいるのが辛かったです。
最後のシーンが巡子の幻想ではなく、事実であってほしいけれど、蒔野のシーンを考えると…どうなんでしょうか?
にしても、あとがきが5人って多いです(笑)
紙の本悼む人 上
2019/01/02 09:29
不思議な行動
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投稿者:chieeee - この投稿者のレビュー一覧を見る
物語には特に関係しないんですが、個人的に時代設定が気にかかった。
現代ではないが、随分昔という訳でもなさそうという事くらいしかわからなかった。
物語の内容は自分とは全く関係のない人の死を悼み続ける静人。
自己満足と言える行為に人は不審者として扱いながらも興味を持つ。
記者の蒔野の母親に対する不躾な態度にはイライラしたけど、ここまで思ってる事をストレートに口に出来るのは、ある意味あっぱれ。
そしてなぜ静人が悼む人になったのかは読者も知りたいところ。
とにかく静人が早く母親に会う事を願いながら下巻へ!
2017/11/27 14:37
つまらなくはないけど
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投稿者:辻村深月ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
作風を知らず読みましたが、主題の意図するところが読み取れなかった。力作ではあったが、長く冗長に感じた。
紙の本悼む人 上
2016/12/18 19:30
物語は主人公以外の三人の視点で進んでいく
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公は坂築静人という人物であるが、物語は主人公以外の三人の視点で進んでいく。テーマは明白であるが、物語自体の設定は不思議な話である。異様と言ってもいい。上巻を読んだ時点ではその不思議さ、異様さの核にあるものは解明されない。下巻に期待する。
紙の本悼む人 下
2016/12/20 18:42
主人公の行動が、どういう必然性によって成り立っているのか。そこのところが全く理解できない
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者が伝えたいことはよくわかる。しかし主人公の坂築静人の行動が、どういう必然性によって成り立っているのか。そこのところが全く理解できない。もちろん物語というものは、全てを明白にする必要はない。だが、主人公にの行動に対するどうしようもない違和感があって物語に本当に入り込めない。「家族狩り」の時にも感じたが説明的な文章が多いような気がする。着眼点はいいのだが、非常に残念な気がする。
紙の本悼む人 上
2016/03/21 13:10
堤幸彦監督映画化原作
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の作品にしては珍しく、生者と死者が会話をしたり死後の世界が登場する。悼む人の行為が、読む人によっては傲慢に感じるかもしれない。
紙の本静人日記 悼む人 2
2015/11/21 05:17
二匹目はいなかった
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投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「悼む人」で直木署を獲り、二匹目のどじょうを狙った作品なのだろうが、見事な失敗作だと思う。続編的な意味合いで書かれているものの、こうまで違ってしまうものか。最初の一作だけで止めておけばよかったし結局、その第一作をも汚したことになる。
紙の本静人日記 悼む人 2
2017/01/19 19:17
なぜこんなものを書いたのか全然意味が分からない
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
副題に「悼む人2」とあるとおり、直木賞を受賞した「悼む人」のサイドストーリーのようなものである。私はそもそも「悼む人」自体そんなにいい小説だとは思わなかった。その主人公である坂築静人の日記という体裁の小説である。同じような話が延々と続く。なぜこんなものを書いたのか全然意味が分からない。最後に「可視と不可視のはざまで」という東日本大震災後の取材を綴った短文が載っているがこれは読む価値があると思った。逆に言えばこれしか読む価値のあるものは載っていない。