電子書籍
芥川賞の偏差値
著者 小谷野敦
芥川賞はまことに奇妙な文学賞である。
『火花』は? 『太陽の季節』は? 最高偏差値は?
第1回から最新回まで164作をランク付け! 掟破りの日本文学史
お前の判断基準は何なのだ、と問われるかもしれない。かねて言っている通り、文学にせよ音楽、美術、演劇にせよ、普遍的で科学的なよしあしの判断というのはできない。ただ多くの古典的なものや批評を自分で読んだりして、自己の責任で判断するものだ。もちろんその際に、さまざまな批評用語(これは「批評理論」のことではない)を用いて弁論するのは当然のことだ。しかし、ここで必要なのは「対話的精神」である。自分がよくないと思った作品でも、他人がいいと言ったら、その言に耳を傾ける必要がある。
(本書「まえがき」より)
芥川賞の偏差値
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本芥川賞の偏差値
2019/02/19 11:46
確かにコンビニ人間は傑作だ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
過去の芥川賞受賞作品を偏差値風に70点台(コンビニ人間等、この作品は私も大好き)から20点台で評価している。芥川賞は純文学の短篇、中編の作品にあたえられる賞だが、こうやって過去の受賞作をみてみると、選考委員によってかなり色がつくなと思った。また、「そろそろインパクトがある作品を」とか「そろそろ若い人に」といった思惑もあるようで面白く読ませてもらった
紙の本芥川賞の偏差値
2017/04/14 07:53
文学の評価は難しい
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「偏差値」というのは、「集団の平均値よりもどれくらい上または下に偏っているかを、標準偏差を目盛りとして表すものである」と調べると出てくる。
わかったようなわからないような説明だが、そういう「偏差値」に悩まされて人は成長していくともいえる。
この本でいえば、芥川賞の「受賞作の中での偏差値」とある。
点数の方がわかりやすいと思うが、文学には似合わないと著者はいう。
じゃあ、「偏差値」が合うかというと、さてどうだろう。
著者の小谷野敦氏は比較文学者だが、小説家でもある。
かつて2度芥川賞の候補にもあがっているが、受賞には至っていない。
そういう感情って、「偏差値」に影響しないのだろうか。
それは措くとして、この本のいいところは一番近い第156回芥川賞の、山下澄人氏の『しんせかい』(偏差値は48だが)まで網羅していることと、受賞作の表紙画像が初書籍化当時のものを使っている点だろう。
なんといっても表紙画像を見るだけで、帯に「芥川賞受賞」という文字が躍っているのが目につく。
この本で見ると、第10回受賞作『密猟者』(寒川光太郎)で、すでにその文字が見える。
そういう点では、芥川賞という賞が宣伝効果を持っていることは事実だし、読書をするかどうかの判断基準のひとつとして、芥川賞に限らず賞の効果はあるのだろう。
芥川賞と直木賞の人気の差であるが、小谷野氏は受賞発表の掲載誌の違いをあげている。
文学なんかに興味もない人も雑誌「文藝春秋」は読む。一方の「オール讀物」は読まない。
なるほど。そうかもしれない。
紙の本芥川賞の偏差値
2018/01/11 02:20
受賞作をぜんぶ採点する!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:シオ・コージ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひとくちに芥川賞受賞作といってもさまざまな傾向があり、人によって大きく評価が異なるところでしょう。