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小さな藩の奇跡 伊予小松藩会所日記を読む
著者 著者:増川 宏一 , 原典解読:北村 六合光
城もなく武士はわずか数十人。人口一万人余りの伊予小松藩には、江戸時代で唯一、150年以上も書き継がれた日記がある。互いに顔の見える小藩だからこそ、代々の幹部たちは私利を計らず誠実に藩政に取り組んできた。不作の兆しを把握し、大飢饉には一人の餓死者も出さなかった。領民の命を守ることが優先された、類をみない善政が日記から読み取れる。天災、幕府の圧政を乗り越えたもう一つの江戸時代がわかる貴重な記録。
※本書は二〇〇一年七月、集英社から刊行された『伊予小松藩会所日記』を改題し、加筆・修正して文庫化したものが底本です。
【目次】
第一部 武士の暮らし
小松藩のなりたち
小松藩の概略
会所日記
小松藩の財政状況
古証文
座頭への対応(一)
座頭への対応(二)
武士の減俸
藩士の食卓
藩札の発行
殿様在国
公儀測量役人
参勤交代
第二部 領民の暮らし
駆け落ち
不倫と情死
不思議の記述
女性と子供
領 民
娯 楽
目明し
盗品と暮らし
他領との交渉
善 政
泥 酔
海 防
越後従軍
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小さな藩の奇跡 伊予小松藩会所日記を読む
2017/04/05 22:30
小さな藩の奇跡 伊予小松藩会所日記を読む
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雨読 - この投稿者のレビュー一覧を見る
伊予小松藩は一万石の小藩で周りには松山藩や西条藩等があり、江戸時代国替もなく幕末まで飢饉や動乱等を乗り越えた稀な藩である。
「会所日記」は家老の喜多川家が政務を綴った、享保から慶応までの150年間も書き継がれた膨大な史料である。
その日記には当時の事件や出来事が綴られ武士や領民の暮らし向きがよく書かれており面白かった。
小さな藩の奇跡 伊予小松藩会所日記を読む
2023/06/04 09:22
事実の記録という重み
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
書かれてある内容は、江戸時代を舞台とした小説やドラマ 解説本なので繰り返し述べられてきたものであり、それほど目新しいものではない。しかし、この「会所日記」が150年間も書き続けられた本物の行政文書である という事実は非常に重たい。最後、戊辰戦争の記録で終わるところなど実に感慨深い。
小説やドラマの「捕物帖」を思わせる犯罪捜査記録も面白い。実際にこのようなことがあったのだと認識させられた。
小さな藩の奇跡 伊予小松藩会所日記を読む
2022/04/08 03:25
書き継げば、鐘が鳴るかな・・・
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸期に四国の小藩で、150年以上に
わたって書かれ続けた、まことに稀有な日記
についての本です。
日本人の記録好きを証拠立てる傍証の一つ
と言ってもいいかも。