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3件
定本 言語にとって美とはなにか
著者 吉本 隆明
『万葉集』『古事記』といった古典や現代の詩歌をはじめ、森鴎外、国木田独歩、夏目漱石などの作品を豊富に引用して詳細に解説。表現された言語を「指示表出」と「自己表出」の関連でとらえる独創的言語論の第I巻。
定本 言語にとって美とはなにかII
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定本言語にとって美とはなにか 2
2021/01/09 15:34
吉本隆明氏による日本文学の表現としての通史であり、戯作の成り立ちについて能・狂言を通じて丁寧に展開した画期的論考です!
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、昭和から平成にかけて活躍された評論家で思想家の吉本隆明氏の作品です。同氏は、『日々を味わう贅沢 老いの中で見つけたささやかな愉しみ』、『現代日本の詩歌』、『異形の心的現象 統合失調症と文学の表現世界』、『「ならずもの国家」異論』、『人生とは何か』といった著作で有名です。同書は、『定本 言語にとって美とはなにか1』に続く続編で、第5章:構成論、第6章:内容と形式、第7章:立場、といった構成になっており、各章で、言語、文学、芸術とはなにかを考察していきます。引用する作品は古代歌謡から折口信夫、ヘーゲル、サルトルにまで及びます。日本文学の表現としての通史であり、戯作の成り立ちについて能・狂言を通じて丁寧に展開した画期的論考でもあります。
定本言語にとって美とはなにか 1
2021/01/09 15:29
言語とは?芸術とは?そして文学とは何かを問った独創的な言語論の一冊です!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、詩人、文芸評論家、思想家として、『僧としての良寛 吉本隆明講演録』、『空虚としての主題』、『「反核」異論』、『教育学校思想』、『最後の親鸞 増補新版』、『親鸞 不知火よりのことづて』、『マス・イメージ論』など幅広いテーマでの著作を発表されてきた吉本隆明氏の作品です。同書では、言語とは何か、芸術とは何か、そして文学とはどのような言語の、どのような芸術なのか、ということを問った一冊です。『万葉集』や『古事記』といった古典や現代の詩歌をはじめ、森鴎外「舞姫」、国木田独歩「武蔵野」、夏目漱石「それから」など、文学史上のさまざまな作品を豊富に引用し、具体的に分析していきます。表現された言語を「指示表出」と「自己表出」の関連でとらえた独創的言語論の一冊です!
定本言語にとって美とはなにか 1
2002/04/02 13:01
指示表出と自己表出
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:白井道也 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「文学の作品や、そのほかの言葉で表現された文章や音声による語りは、一口にいえば指示表出と自己表出で織り出された織物だといっていい。わたしはやっと今頃になって表現された言葉は指示表出と自己表出の織物だ、と簡単に言えるようになった」。これは文庫版まえがきにある一節だが、この切れ味鋭い文を読むだけでもこの本を読んだ価値はあったと思ってる。
第1巻では、「言語の本質」「言語の属性」「韻律・選択・転換・喩」「表現転移論」「現代表出史論」「戦後表出史論」が語られる。内容は高度で理解は容易ではないが、読む価値があるということだけは感じ取れる。