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2件
江戸の非人頭 車善七
著者 塩見鮮一郎
徳川幕府の江戸では、浅草地区の非人は、弾左衛門配下の非人頭車善七が、彼らに乞食や紙屑拾い、牢屋人足をさせて管理した。善七の居住地の謎、非人寄場、弾左衛門との確執、解放令以後の実態を探る。
江戸の非人頭 車善七
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2020/07/26 11:05
車寅二郎の祖先ではない
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Ottoさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校歴史教科書では、江戸時代の士農工商身分制度のその下に置かれた被差別民「穢多・非人」と一括りにして習うが、成り立ちや性質が異なり、対立していたところを江戸幕府が治安や都市環境維持に巧みに利用し、その仕組みを知らない明治政府が持て余した様子が描かれる。
穢多が「けがれ多し」と死んだ馬牛の処理、その皮革利用を職業としていたのに対し、非人は「人に非ず」と生業を失い身分制から脱落した者を指す。かつて「こじき」、「ルンペン」、現在は「ホームレス」と呼んでいる人たちのことだ。
ちなみに、Wordで「ETA」と打っても「穢多」と変換されないし「非人」も同じ。
江戸の非人頭車善七
2020/07/02 09:46
被差別民・被差別部落の歴史などに詳しい塩見鮮一郎氏による江戸時代の非人の行方を追った画期的な一冊です!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、弾左衛門・車善七を中心とする被差別民・被差別部落の歴史や、芸能民・社会政策、江戸・東京の都市史を主たるテーマにして多くの著作を発表されている塩見鮮一郎氏の作品です。同書は、塩見氏が専門的に研究されてきた、江戸時代の非人についての行方を探った画期的な一冊です。同書によれば、徳川幕府の江戸では人別帳からはずれて路上にたむろする者を非人に落として、弾左衛門の支配の下、四人の非人頭が管理したとされています。浅草地区の非人頭車善七は、彼らに乞食、紙くず拾い、牢屋人足などをさせたそうです。同書は、こうした善七の居住地の謎、浅草溜、非人寄場、弾左衛門との確執、解放令以後の制度の解体と非人たちの行方を探った興味深い内容となっています。同書の構成は、「第1章 車善七の居住地」、「第2章 車善七の溜」、「第3章 車善七vs.弾左衛門」、「第4章 車善七の解放令」となっています。