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70件
【電子百鬼夜行】
著者 京極 夏彦
「二十箇月もの間子供を身籠っていることができると思うかい?」。昭和27年の夏、三文文士の関口巽(せきぐちたつみ)は東京は雑司ケ谷にある久遠寺(くおんじ)医院の娘にまつわる奇怪な噂を耳にする。しかも、密室から煙のように消えたというその夫・牧朗は関口の旧制高校時代の1年先輩だった。
今昔百鬼拾遺 月 【電子百鬼夜行】
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百鬼夜行−陰 文庫版
2005/08/10 23:16
本歌があるからいいので、その落穂みたいな部分だけを取り出して楽しめ、って言われても、話が一つもまとまってないし、これだけで論じるのは、無理でしょ
11人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「妖怪」はいずこより来るのか・・・・・・。人の心は闇にあらねども、揺るぎないはずの世界が乱れたとき、その裂け目から妖しきものが湧き出し、取り憑く。他人の視線を畏れる者、「海」を忌む小説家・・・・・・。日常に潜む恐怖を描く十の短篇からなる「京極サイドストーリーズ」。
正直いいまして、ナッチファンを自認する私としては、評するに最も頭を抱える作品です。実は、この本、文庫化される前に一度は読んでいるはずなのです。勿論、ノベルズで出た1997年です。それは確実なのですが、まったく記憶にありません。確か、そのときも読み終えたばかりにもかかわらず、一篇として内容を思い出せるものがないという状態だったはずです。
そして、今回もその悪夢が再来してしまいました。困惑です。閉じていない話の難しさ、とでも言ったらいいのでしょうか。でもそれが十篇全てとなれば、かなり問題です。試験の成績でも30点に比べ0点というのは、かなりです。人事考課でDがつくと、つけられた本人もですが、考課した側が問題視されることがありますから、それに似ているとでも言いましょうか。
そこで、まずは気晴らしに散歩。妖怪製作 荒井良、カバーデザイン FISCOだそうです。「製作」が気になりますよね、これって「制作」じゃあないか?って。さらにいえば、カバー折り返しに載っている写真についても、コメントが欲しかったな、なんて。ちなみにカバーデザインをやっているFISCOは、文藝春秋のミステリマスター・シリーズで京極夏彦と組んでい装幀をしています。他にも、同じコンビで物集高音『大東京三十五区夭都七事件』とか、結構いい仕事してますね。
で、本を開くと同じ妖怪くんの別カットがあって、目次ではなく、目録という文字が飛び込んできます、いいですね、これ。そして『百鬼夜行 陰』があって、文庫なので、初出一覧と皆川博子の解説がつくという形。外伝という扱いなのだそうですが、やはりこれ単独で楽しもうとするのは、流石のナッチでも無理かもしれません。とりあえず
続く巻頭言は「怪力乱神をかたるものいましめをまもる人には 。」です。
で、この本では目録が二つあって、後のほうは『百鬼夜行 陰』そのものの詳細ということになります。戻ることのないだろう妻の着物を処分する男の「小袖の手」、夢に見た小さな女は、本当にいたのだろうか。寝台の横に佇む十糎ばかりの小さな女「文車妖妃」、誰かが見ている、視線とは何だ、見られる男の妄想は「目目連」。
一月前、男が街で見かけた鬼。鬼とは一体どんなものかを問う男の「鬼一口」、火事の現場で鶴嘴を振るう男が、湯気立つ瓦礫の跡から掘り出したものは「煙々羅」、なぜ笑うことが必要なのだろう、笑いのない家で育った女は少女たちの笑いに苛ついて「倩兮女」、栄転を果たした警部補に少年が囁く悪魔の言葉「火間虫入道」。
新興宗教の教主が死んだ。息子が跡を継いだ。それを見ている孫のこころには、違和感が「襟立衣」、女が憎い、いや女が怖い、だから取り締まりにも強く望む警察官が捕まえた女は「毛倡妓」、気が萎えた男が川で見たものは、関口のもとを訪れた中禅寺敦子の語る不思議が作家を追い詰める「川赤子」。
皆川の解説に、京極夏彦作品の受け容れられ方を、筒井康隆、山田風太郎に喩えたところがあります。個人的には、筒井・山田両氏よりは遥かに京極は恵まれている、と思います。私が京極の存在に気づいたときは既に、ナッチくんはアイドルでしたから。それに文学賞受賞までの順調さが違います。でも、考えさせられるコメントではありました。
2020/02/14 13:59
ミステリとしては物足りなさ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆきも - この投稿者のレビュー一覧を見る
ここまで順にシリーズを読んできて、最も早い段階でアァ(察し)となった回でした。
過去の事件の概要が出た時点でアァ…となった人も多いはず。
ミステリとして読むには消化試合が長くて、いつ解決してくれるのかとヤキモキ…
とはいえ綺麗に纏まっており、感情移入もしやすく、何より過去作の登場人物の名前が大量に出てきて誰だっけそれ??となるようなことがなく、比較的読みやすかったです。
陰摩羅鬼の瑕 分冊文庫版 下
2013/08/28 20:20
犯人は最初からわかっている
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
WHY DONE IT?かと思うほど、犯人は俺だよ俺俺!と最初から言っている気がした作品。
前作までが濃厚すぎたので、読む方も気合いれすぎてしまったようだ。