- みんなの評価
11件
六枚のとんかつ
著者 蘇部健一 (著)
空前絶後のアホバカ・トリックで話題の、第3回メフィスト賞受賞作がついに登場! 新作『五枚のとんかつ』も併録。またノベルス版ではあまりに下品だという理由でカットされた『オナニー連盟』もあえて収録した、お得なディレクターズ・カット版。トリックがバレないように、必ず順番にお読みください。
六枚のとんかつ
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
2022/01/19 22:17
おもろい
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある保険調査員がトンチンカンな推理をしまくる連作短編集。「エースの誇り」「オナニー連盟」あたりはかなり笑えた。後輩役の早乙女のデブキャラもいい。「消えた黒いドレスの女」は島田荘司氏の御手洗シリーズを意識したような節回しなのに内容がおバカでちょー笑った。
2021/08/15 13:02
意外に面白いです
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なのはな - この投稿者のレビュー一覧を見る
すけべでエロチックな話が多いのはご愛嬌といったところですが、各短編ミステリのアイディアそのものはなかなか面白いと思います。本格ミステリとしての完成度は低いかも知れませんが、ユーモアミステリとしてなら十分に面白かったです。単純なトリックミステリというわけでもなく、二重三重にミスディレクションするような練られた構造の作品もいくつかあり、馬鹿馬鹿しいとはいえ、なかなか考えられた作品ではないかと思いました。笑いのセンスにはついていけないところもありますが、総じて楽しいミステリ短編集でした。
六枚のとんかつ
2008/03/31 14:37
アホバカトリックというものは、それだけで価値がある気がする。
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ばー - この投稿者のレビュー一覧を見る
葉山響(with海路友)の解説から抜粋。
【「たんなるゴミである」(笠井潔)】
【「作者はバカミスを逃げ口上にしているだけ」(村上貴史)】
以上のように、この作品は、メフィスト賞を受賞すると共に空前の批判に曝されることになった。正面きって「ゴミである」と言い切るにはそれ相応の内容でなくてはならない。
くだらないとは前々から聞いていたが、今回の読書は少しいろいろと期待していた部分があった。もしもくだらないのであれば「どのようにくだらないのか?」、批判をするには、理想がなければならない。という事は、この本の逆が「理想のミステリ」の逆を示しているということだろう。私はミステリには疎いので、そういう意味でもこの本は一つの指針なのだ、私にとって。(あと、メフィスト賞の懐の大きさも分かるだろう。話題取りかもしれないが)
私が読んだのは文庫版。講談社ノベルス版に比べいくつか削除された物があるが、その分、文庫版だけの特典として、「オナニー同盟」、「五枚のとんかつ」が加えられている。
トリックそのものをここで話すわけにはいかないが、そのトリックは幼稚で、脱力系で、一言で言えば「く、くだらねぇ!」だ(下ネタもある)。他の推理小説をベースにしたトリック、などのようにパロディものもある。自分の作品のトリック(「六枚のとんかつ」)を基にした作品もある(「五枚のとんかつ」)。言うてしまえば、「誰も思いつかない」、「もし思いついてもやらないであろう」ネタの数々である。
短編の(バカ)ミスで構成されている一冊。主人公は保険調査員の「私」。その私の所に舞い込んで来る保険金絡みの事件が描かれている。時には自分で解決することもあるが、その多くは知人で売り出し中の新進作家・古藤に解いてもらう。同僚の早乙女と一緒に解く事件もある。だが、トリックがトリックであるのに関わらず、そう簡単に解けない。見当違いのシロウトっぽい推理の数々。探偵役は古藤であるが、アドバイザーであるので、いつもその後始末(「トリックはこれ!だから犯人はあんただ!」役)をする「私」は恥をかいてばかり。古藤や早乙女との(見当違いな)かけあいはもちろん、明かされるくだらなすぎる真相は絶対笑える(か、脱力する)。古藤達の推理よりくだらない真相って…。
笑った笑った。
ミステリに美学を感じていない(愛は多少はあるけれど)私にとっては、十分面白かったけどなあ。真面目にミステリやってる人は良いとは思わないかもしれない。また、その「超くだらないミステリ」っていうのが、存在する「真面目なミステリ」への反抗になっているのかも。「なに真面目にやってんだよ、ふん!ミステリってこんなもんじゃん」って感じで著者は書いたのかもしれない(し、書いてないのかもしれない)。
究極のアホバカミステリ。くだらないけど、そのくだらなさが、秀逸!