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6件
御手洗潔の挨拶
著者 島田荘司
嵐の夜、マンションの11階から姿を消した男が、13分後、走る電車に飛びこんで死ぬ。しかし全力疾走しても辿りつけない距離で、その首には絞殺の痕もついていた。男は殺されるために謎の移動をしたのか? 奇想天外にして巧妙なトリックを秘めた4つの事件に名探偵・御手洗潔が挑む短編集第1弾。
御手洗潔の挨拶
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御手洗潔の挨拶
2015/03/28 13:38
名探偵御手洗潔、名刺代わりの第一短編集
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
名探偵御手洗潔の第一短編集。さまざまなタイプの作品で、御手洗の鮮やかな推理と島田荘司得意の大胆なトリックや伏線を楽しめます。
ダイヤル錠の密室と人間ドラマを描く「数字錠」。
マンションから飛び降りた男は、はるか離れた線路上で死んでいた!?「疾走する死者」。
唐突な訪問者が押し付けた、奇妙な仕事の裏とは?「紫電改研究保存会」。
子どもの誘拐事件と、たこ焼きの屋台にまつわる騒ぎがクロスする、謎のメモの絵解きが秀逸な「ギリシャの犬」。
いずれも読み応え十分の佳編です。
御手洗潔の挨拶
2018/04/15 19:01
御手洗の魅力溢れる短編集
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
なかなかの優れものの4つの短編。独特の大掛かりなトリックから、シンプルなものまでいろいろ楽しめました。なんと言ってもどれも御手洗の魅力に溢れています。中でも良かったのは3つ目の『紫電改研究保存会』。読み飛ばしてしまうところに仕掛けが!シンプルなだけに短編らしくて良かったです。
2017/04/14 12:44
御手洗潔シリーズ初の短編集
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sipa - この投稿者のレビュー一覧を見る
御手洗潔シリーズの3作目で、長編2冊が続いた後の、初の短編集。 時間が経ってから再読して、最初の時とはまた違った感想を持ちました。
1970年代後半から80年代後半に起きた4つの事件について書かれています。 2作目からは5年くらい空いていて、探偵・御手洗の久しぶりの登板です。 その5年の間には、吉敷竹史シリーズが7作ほど出ていました。
1話目「数字錠」の舞台は四ツ谷駅付近、事件発生は1970年代末。 看板屋の社長が、密室状態の仕事場で何者かの手によって刺殺。 容疑者の2人それぞれが、犯行は難しい状況にあったことがわかり…
後の短編「近況報告」に、御手洗はコーヒーを飲まない、とあります。 今回再読して、その原因がこの話で語られていたことに気づきました。
2話目「疾走する死者」の舞台は浅草橋、事件発生は1980年代始め。 嵐の夜にマンションの11階から姿を消した男が、電車に飛び込んで死亡。 マンションから現場までは全力疾走しても間に合わない距離にあり…
今回再読して、他作品からのゲストが盛沢山だったことに気づきました。 ゲストは短編「糸ノコとジグザグ」のマスター、吉敷シリーズの中村吉造、 「嘘でもいいから」シリーズの隈能美堂巧(くまのみど・たくみ)の3人。
3話目「紫電改研究保存会」の舞台は中野、事件発生は1970年代後半。 竹橋の新聞社に勤める関根の元に、紫電改研究保存会を名乗る人物が来訪。 関根は中野にある保存会の事務所で封筒の宛名書きをさせられることに。 しばらく宛名書きを手伝っただけで何事もなく事務所から帰されるが…
最初に読んだあと何年もしてから、通学で東西線を使うようになりました。 再読した今回のほうが頭に浮かぶ風景はリアルになったと思います。
最後の話「ギリシャの犬」の舞台は隅田川、事件発生は1980年代後半。 小学生誘拐事件が発生した現場近くで、謎の暗号が書かれた紙が拾われ…
後の長編「水晶のピラミッド」に関して過去の事件として書かれています。 最初に読んだ時は何のことやらで、その長編を読む頃には忘れていました。 この短編から、「近況報告」にもある御手洗の犬好き加減がよく判ります。