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新装版 戦雲の夢
著者 司馬遼太郎
土佐22万石の領主・長曾我部盛親は、関ケ原の戦いで西軍にくみしたため一介の牢人の身に落ちた。謫居の地を京都に定められた盛親は、再起への野望を密かに育み、旧臣5千人とともに大坂夏ノ陣に立ち上がったが……。大きな器量を持ちながら、乱世の流れに乗れなかった悲運の武将を鮮やかに描く傑作!
新装版 戦雲の夢
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戦雲の夢 新装版
2017/10/15 08:45
長曾我部盛親の半生記
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:井沢ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
長曾我部盛親、元親の3男の半生記。秀吉が亡くなって、徳川家康に政権が移りつつあるときに、父親である元親が亡くなり、指導者がいなくなるなかで20台前半で家督を継いだ。周囲の厳しい環境や駆け引きもわからずじまいで西軍に参加、しかし関が原での大敗で戦らしい戦もせずに敗走、自分の力を試すことなく終わった。御家再興と戦上手になって実践で自己実現したいというプライドで豊臣方につくものの、御家再興は無理であることを悟りながら、臣下の気持ちと意地、そして戦い場を求めて大阪冬の陣、夏の陣に挑む。そして、自分の采配する局所的な戦で勝利し、豊臣方は負けたが自分の意地を通せて自己満足するという内容。二世という跡継ぎの立場に悩み、自己の立場を確立できた自己満足の世界で終わる。その後の行方は、刑死したかうまく逃げきれて僧侶になったかは分からない。元親は知っていたが、盛親はこの本で知ることができた。しかし、どこまでが真実なのだろうと思う。盛親の精神状態を把握するのは難しいのではないか。
戦雲の夢 新装版
2015/08/11 03:39
何かしたい!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:金吾庄左ェ門 - この投稿者のレビュー一覧を見る
土佐一国の大名から一介の浪人(寺子屋の先生)になった長曾我部盛親の物語です。
盛親自身は、武芸者あるいは個人的な魅力だけを見れば大した人物なのですが、リーダーとして大名(政治家)としてはその能力に若干の疑問符が残ります。そして、何かをしたいとは思っていますが、それが何なのかはさっぱりわからない人物でもあります。
盛親の生き方を見た、林豪という和尚に「夢を持て」という旨の事を諭されますが、その「夢」は、家名を再興する事なのか、あるいは戦いの果てに壮絶な討ち死にをする事なのかを、盛親の立場になって考えてみるのも良いかも知れません。