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夢酔独言
勝海舟の父、勝小吉の自伝。江戸有数の剣客にして、放蕩の不良旗本。浅草・吉原の顔役、刀剣ブローカーでもあった。身持ちの悪さに父親により三年余り座敷牢に入れられ、その間に生まれたのが麟太郎(海舟)。四二歳、天保の改革のときに不行跡から隠居謹慎となり、夢酔と称し、自己の来し方を子孫への戒めとして著したのが本書。幕末頽唐期の江戸裏社会を知る夢酔老の面目躍如たる、率直端的な独特の文体が、妖気を放ち心に迫る
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夢酔独言
2020/03/21 11:55
勝海舟の父、勝小吉の八方破れの人生を描いた自伝です!
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、江戸時代末期から明治時代初期の武士であり、政治家でもあった、私たちにはあまりにも有名な勝海舟の父、勝小吉が著した自伝です。彼は、江戸有数の剣客ではあったのですが、放蕩の不良旗本であり、浅草・吉原の顔役であり、刀剣ブローカーでもあり、身持ちの悪さに彼の父親により三年余り座敷牢に入れられたとい経験の持ち主です。同書は、子孫に自分のようにはなるなと伝える目的で記したもので、「けして俺のまねをするな」と書かかれています。また、どうやって乞食をして歩いたかまでが詳しく語られています。しかしながら、「俺の真似をするな」と言いつつも、やりたい放題の半生を子供たちに堂々と書き残し、それが話し言葉のように軽快に書かれており、八方破れな勝小吉本人の声が聞こえるかのような面白い作品となっています。ぜひ、一度、お読みください。
夢酔独言
2016/07/30 20:31
当時の雰囲気を味わえる一冊。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わびすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
庶民というには旗本なので身分はあるが、暮らしの様子や軽い語り口から素の江戸時代人が感じられる。文語なのに口語調なのが要因だろうか?(みなもと太郎先生の指摘がなければ意識してなかったけれど)。あと、基本的にノーフューチャーな人ですね、これが勝個人なのか、江戸庶民に共通の風潮だったのかで、江戸の印象も随分変わりそう。