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2件
きのふはけふの物語 全訳注
著者 宮尾與男
近世初期に成立した笑話集。古活字版、整版、書写本など、さまざまな形で庶民に浸透し楽しまれた噺の数々。「仮名草子中一、二のベストセラー」とも推測され『醒睡笑』にも引き継がれた笑話には、当時の民衆の笑いの感覚が表れている。身近にいる「うつけ」者の噺、艶笑・男色の噺、尾籠な噺から信長・秀吉が登場する噺まで、無名の人々の手になる作品集成。
きのふはけふの物語 全訳注
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きのふはけふの物語 全訳注
2020/03/21 10:49
近世の笑い話をまとめた価値ある作品集です!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、近世初期に纏められた面白い「噺(はなし」)を集めた作品集で、234話収録されています。同書には、身近に存在するうつけ者の話や男前で格好をつけてばかりいる色男の話など、当時の民衆が好んだ、笑い話が、現代語訳で私たちにも分かり易く読めるように編集されています。ぜひ、近世の笑い話がどのようなものであったのか、またそこから当時の社会の様子がどのようなものであったのか、を知ることができる価値ある一冊です!
きのふはけふの物語 全訳注
2016/11/23 20:10
艶笑話の世界
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わびすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
下ネタが笑いの原点の一つなのだと改めて感じた。そして同時に、やはり下ネタはすぐ飽きるというのも実感した。本書の後半、反復される艶笑話に辟易して、読み進めるのが辛かった。近世の人々も同様の感想だったからこそ、落語という下ネタに頼らない笑いの新基準ができたのだとおもう。本書はその移行期に位置する書だと思う。また、解説が笑いのポイントがずれていると感じた話もしばしば。落語家など、笑いのプロの校閲を受けるべきだったのでは、という思いもチラリ。