- みんなの評価
2件
交易する人間(ホモ・コムニカンス) 贈与と交換の人間学
著者 今村仁司
本書の主題は、具体的事例に則して言えば、贈与と交換の社会哲学である。より正確に言えば、本書は、贈与と交換を峻別する。そうすることで、近代に出現した市場経済、そして特殊近代的な資本主義経済の歴史的位置づけ、ひいてはそれらがかかえる歴史的限定性を明らかにできるからである。…… 要するに、本書は、人類が歴史的に経験してきた種々の相互行為を観察することを通して、社会存在としての人間の根源に迫る試みである。
交易する人間(ホモ・コムニカンス) 贈与と交換の人間学
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
交易する人間 贈与と交換の人間学
2020/03/21 10:01
人間の相互行為を観察することで、社会存在としての人間の根源を考察した一冊です!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、私たち人間が古代から繰り返してきた相互行為、例えば、贈与や交換といった行為を観察することで、社会存在しての人間の根源を考察した一冊です。私たちは、伝統的にモノを交換したり、交易したりしてきました。具体的に言えば、ポトラッチ、歓待、クラ交易、供犠などです。こうした状況において市場経済が成立し、活動し始めるのですが、そこでの人間というのは一体どのような存在なのでしょうか?同書では、「第1章 社会的なものとは何か」、「第2章 交易の構造」、「第3章 交易としての労働──聖俗論の彼岸」、「第4章 交易としての贈与──共有される負債」、「第5章 神話的想像の動学──贈与と所有」、「第6章 人間学の基本問題──贈与と威信」、「第7章 人格的所有論──譲渡と非譲渡」、「第5章 資本主義の誕生──贈与から交換へ」といった構成で、分かり易く解説してくれます。
交易する人間 贈与と交換の人間学
2016/07/15 20:22
経済史と思いきや・・・
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
大衆の貧困は資本主義の結果、資本主義とは遠隔地取引であり投機である。資本主義は悪であり、贈与倫理を復活させたいという、左寄りの人びとが推奨しそうな書。