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紙の本忌物堂鬼談
2017/09/19 08:39
ちょこっとネタバレ注意
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぷわち - この投稿者のレビュー一覧を見る
三津田作品の大ファンで、今回の作品の発売を知ってから心待ちにしていました。
ただこれまでの三津田作品に比べると、主人公に個性が無い。
女性主人公だからでしょうか?
もう一人の主人公とも言える天空は個性がありますが、登場シーンがちょっと少ない。
忌物に纏わる怪異が紹介されますが、一番最初のエピソードが一番ゾクッとしました。
古いアパート、炊事場・トイレは共同、個々の部屋の玄関は引き戸。
内鍵はありますが、いざという時はつっかえ棒をしたくなる、つまり少し心許ない引き戸。
壁は薄く、隣人の生活音が聞こえる。
そんな中で起こる怪異。
やはり怪異に遭遇した場面の臨場感は、三津田作品はすごいですね。
しかし他の忌物に纏わるエピソードは、正直微妙でした。
特にある家族に纏わるエピソード。
私が三津田作品の大ファンであるのは、以下のような理由からです。
・グロい表現がほとんど無い(極稀にグロ作品もあるけど)。
・動物が死ぬ描写が無い(三津田さんが猫好きだからかな?)。
・何と言っても、臨場感がすごい。
・「どこまでが人間の仕業で、どこまでが人ならざるものの仕業なのか・・・」という雰囲気がある。
しかしこの家族に関するエピソードは、とにかくグロかった・・・。
今回の「忌物堂鬼談」が、もし私が読んだ最初の三津田作品だったら・・・きっと三津田作品にはハマらなかったでしょう。
そのエピソードに関しては、正直怪異と言うよりスプラッタ。
怖いより気持ち悪い。
しかも少々下ネタもあり、少し悪趣味・・・。
私がグロ描写が大の苦手なため、作品全体の評価が下がった感はありますが。
同じように怪異を短編で紹介していく書き方なら、「ホラー作家の読む本」の方が余程面白かった。
まあ、最後の終わり方がシリーズ化する兆しを含ませてあったので、続編に期待かな?
天空は割と魅力的なキャラですし、黒猫先生は可愛いし。
でも個人的には、「刀城言耶」シリーズの続巻が読みたい・・・。
電子書籍忌物堂鬼談
2020/06/28 11:58
おかわりいただけただろうか・・・
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ワシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の少女・由羽希(ゆうき)がどういう状態であるのか、勘のいい方ならほぼ巻頭でお分かりになると思う。
住職の天山天空が寺に集められた忌物にまつわる怪異を語る筋は面白いが、由羽希の身の上話に、忌物の怪異譚に、その推理までは盛り込みすぎのように思う。
パワフルすぎる祟りがほぼギャグの域に入っていて笑えてきてしまうのも困る・・・。
誰が目撃したんだ!?ともツッコみたくなる箇所も少なくない。
辻占・橋占に関しては、加門七海の短編集『鳥辺野にて』もおすすめしておきたい。
作者の書く女性はどうも一昔前でいう「ネットおかま」くささが抜けない。