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6件
異類婚姻譚
著者 本谷 有希子
子供もなく職にも就かず、安楽な結婚生活を送る専業主婦の私は、ある日、自分の顔が夫の顔とそっくりになっていることに気付く。「俺は家では何も考えたくない男だ。」と宣言する夫は大量の揚げものづくりに熱中し、いつの間にか夫婦の輪郭が混じりあって…。「夫婦」という形式への違和を軽妙洒脱に描いた表題作が第154回芥川賞受賞! 自由奔放な想像力で日常を異化する傑作短編集。
異類婚姻譚
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異類婚姻譚
2018/12/28 17:08
摩訶不思議物語
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あんころしゅーくりーむ - この投稿者のレビュー一覧を見る
世にも奇妙なと言うか、この物語をどう捉えれば良いのか不思議な感覚に捕らわれた。ミステリーでもあり、とある家庭の問題なのか、どこの家庭でもありがちな問題なのか、単なる異界の物語なのか。前衛的、現代的でもあり、古典的小説とは作風が明らかに違っている。と私は思った。とは言え作家からのメッセージ性よりも読者の自由な解釈に委ねられている。こうだからこうあるべきと言うような押し付けがましさは一切無い。読者のそれぞれの感想を語り合うのに様々な発見が有りそう。
異類婚姻譚
2019/07/26 23:37
この奇妙な世界、好きかも
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
第154回の芥川賞を受賞した「異類婚姻譚」は、仲良く連れ添っている夫婦は顔が似てくるというよくある話のゆっくりとした私小説かと油断しているととんでもない目に遭った、そうくるのか、という感じだ。「<犬たち>」は、この小説だけを読んでいると欧米の作品なのかと(アリステア・マクラウドとか)思ってしまう、はたしてあの犬たちの正体はと考えてしまう。「トモ子のバームクーヘン」は、誰もいないはずの部屋に誰かいるような気がして声を張り上げてしまうという私もよく経験した場面が登場するのでドキッとした。「藁の夫」は、文字どおり夫が藁だという作品なのだが、私はこの作品が一番好きだった。夫の体から小さな学期が零れ落ちるのはなぜなのかはよくわからないのであるが、この夫婦の1年後の姿には興味がある
異類婚姻譚
2023/09/15 21:17
怖さがじわじわと迫ってくる
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
芥川賞を受賞した中編「異類婚姻譚」と短編が3つ収録されています。どれもとてもいいです。そして、どれもとても怖い小説です。特に「異類婚姻譚」は、怖さがじわじわと迫ってきます。本谷有希子、恐ろしい作家です。