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世界の果てのこどもたち
著者 中脇 初枝
珠子、茉莉、美子――3人の少女は、戦時中の満州で出会った。何もかも違う3人は、とあることから確かな友情を築き上げる。やがて終戦が訪れ、3人はそれぞれの道を歩み始める。日本、中国で彼女たちはどう生きたのか。そして再び出会うことはあるのだろか――。2016年本屋大賞第3位に選ばれた、感涙の傑作、ついに文庫化。
世界の果てのこどもたち
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世界の果てのこどもたち
2019/05/26 10:26
戦争を知りたい人に、おすすめ
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある中学校で教材に使ったという話を聞いて読んでみた『世界の果てのこどもたち』。中脇初枝という人の本は初めてです。
「満洲」のお寺で、ひとつのおむすびをわけあって食べた3人の女の子たち。
一人は戦災孤児になり、一人は中国残留孤児になり、一人は在日朝鮮人として、それぞれに戦後を生きてきた。
40年ぶりに再会した彼女らは会話が出来なかった。
残留孤児の一人は日本語を忘れていたので。
再会の喜びと話せない哀しみ。
語り尽くせない苦労を背負った彼女たちは、しかしそれをマイナスのエネルギーにはせずに、プラスの力に変えていく。
戦争の実体験がない書き手でも、戦争をここまで描ける。
いや、体験がないからこそ、彼女たちの生き方に普遍性を与えることができたのではないかな。
戦争を知りたい人に、おすすめの本です。
世界の果てのこどもたち
2022/02/01 09:53
この辛い話が本屋大賞3位、日本も捨てたもんじゃない
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
抑留されたシベリアで死んだ祖父は、、満州に派兵されていた。その祖父から祖母宛にこんな葉書が届いたという「〇〇(祖母の名前)元気でやっているか、△△、□□(母と叔母の名前)も元気か、満州は冬はとても寒いところだが、食い物もうまく、土地も広い、戦争が終わったら、こちらで暮らさないか」、祖父は日本が負けて、満州がロシアにずたずたにされて、日本人は中国人に報復されるなんて夢にも思っていなかったらしい。祖父が天国のような国と思っていた満州は、主人公の珠子にとって、親友だった八重子にとって戦後、地獄になる悲しい話、読んでいて辛くなる、でも、読み続ける。珠子、茉莉、美子、主人公三人は辛酸な思いをしながら最後は幸せを掴むが、右翼政治家が威勢よく気勢をあげているのを聞いていると胸糞が悪くなる今日この頃だ、戦争だけは絶対だめだ